こんにちは。ダイネーゼ台場の丹です。
先日、MTBオンラインマガジンを運営するPinkbikeがダイネーゼの内側についての記事を書いておりました。
今回は新作プロテクターの"Rynolite Jacket"の製造工程をメディアに紹介ということで、
私たちもめったに見る事のできない光景やその記事の内容はとても興味深いものでした。
http://www.pinkbike.com/news/Inside-Dainese-Developent-of-the-Rynolite-Jacket-2014.html
今回はせっかくなので、日本語訳にしてみなさまにご紹介したいと思います^^
それではお楽しみ下さいませ。
Inside Dainese - Developent of the Rhyolite Jacket

ダイネーゼは40年以上、モーターサイクル用のプロテクターを製造してきた素晴らしい技術を持つほか、MTBの分野でも同様に、その経験を20年以上培ってきました。
昨年の夏、ダイネーゼは我々を北イタリアの本社に招き入れ、華やかな2輪レースの歴史の一部を公開してくれました。
そして11月、彼らは再び私たち招き、新作MTBプロテクター"Rynolite Jacket"の構想段階からテストライダーによる実証までの、一連の製造工程を紹介してくれました。



ダイネーゼでは、全ての商品はまず理解を深めることから始まります。
この最初のステップは、人間の身体がどのように動き、そしてどのくらいの頻度で、どのように傷つくのかを調べる事です。
また、この段階では、ダイネーゼは詳細なバイオメカニクスから、人々が実際にどのように怪我をしてしまったのかをまとめた病院データまで、あらゆるものを調査致します。



次のステップでは、紙にペンを入れていきます。最初のステップでの研究結果や、アイデア。また、これまで培ってきた技術、経験をデザイン原案へまとめていきます。
ダイネーゼは歴史や自然から得たアイデアだけではなく、その開発プロセスに置ける最新の科学技術など、世界中のあらゆるものからインスピレーションを取って商品製造を行っております。

デザインが出来上がってきたら、次にそれをコンピュータに変換。製品の構図を設定していきます。

プロテクターは一つずつ、3D設計プログラムを使用して描画されていきます。



次に、実際に商品がどのような見た目になるのか、また、どのような感触になるのかを確認するために、紙のプロトタイプが印刷されます。
この紙模型によって、各部分の組み合わせや、フォームを確認し、次の段階である、生地のプロトタイプの作成に備えます。




CNC(コンピュータ数値制御)ブレードやレーザーカッターは、紙だけでなく、ファブリック素材、そしてプロテクターに実際に使用される衝撃吸収材に至るまでの全てのものを正確にカットすることができます。


次に、商品に使われる素材(マテリアル)はすべて、耐摩耗性テスト、UV劣化テスト、引っぱり強度テストなどのあらゆるテスト が施されます。
この段階で、その一つ一つの素材が、十分なパフォーマンスを維持出来ないと判断された場合、その材料は実際に使われることはありません。



次に生地のプロトタイプは、少人数で構成されたチームに行き渡り、実際に人の手によって組立てられていきます。
彼らの縫うスピードはジャケットプロテクターがものの数時間で完成してしまうほどの恐ろしい早さです。
そして、CNCカッターで不完全な形のものを、ひとつの完成された形へと変えていきます。



(ここはちょっと長いので、流し読みしてください・・^^;)
プロテクターウェアを作成するには2つの方法があります。
すでに認可を得たプロテクターを用意するか、自らの手で、独自の認可プロテクターを作成するかです。
すでに認可のとれたプロテクターを使うことの利点としては、新たにテストをする必要がないので、時間と費用を節約する事が出来ます。
しかしながら、ダイネーゼでは、後者の方法を選んでいます。
なぜなら、全てのプロテクターを独自の方法で作成、そしてテストすることによって、ダイネーゼの求めるより高いレベルにおいて、プロテクターの性能を理解し、その安全性を保証することができると考えております。
ヨーロッパでは、販売されているすべてのプロテクターは必ず、"CE 1621"という規格を取得しています。
この"CE1621"は、プロテクターが衝撃を吸収するのに、どれほどの力を要するのかを特定する基準となっています。
そのテストでは、5キロの重りを1メートルの高さから、プロテクターに向けて落下させます。
そのエネルギーを換算すると、50Jという単位で表されるのですが・・。難しいことはとりあえずおいておいて、
CE Level 2 バックプロテクターでは9kN(キロニュートン)、CE Level 1 バックプロテクターでは18kN、 肩肘などのCEプロテクターは35kN・・・それ以上の衝撃が着用者に伝わってしまう場合、そのテストは失敗となり、CE規格をパスすることができません。
(簡単にいってしまうと、Ce level1では50→18となり、64%の軽減。Ce level2になると、なんと82%の衝撃をカットしてくれます。)
今回対象となった"Rynolite Jacket"ですが、なんと、上記の規格が求めるレベルよりも高水準の4Kn以下に衝撃をおさめました!
つまり、Ce Level2 バックプロテクターのもとめる基準(平均9kN以下)のさらに半分以下!
92%との衝撃をカットしてしまうのです。

テストはプロテクターの様々な場所で試されて、それぞれの結果をシールの上に記載していきます。


材料、そしてCEのテストを終えると、もっとも重要な段階へと商品は到達します。
それは、実際に商品をアスリートに試してもらい、そのパフォーマンスを確認する事です。
(今回はロイック·ブルーニさんに協力してもらいました。)
そして、アスリートからのフィードバックにより、生産ラインへと入るか、開発プロセスに戻り、再度変更を加えるかを決定します。

(今回のプロテクター開発にはこれらのスタッフが関わっております。)
いかがでしたでしょうか?
ダイネーゼの技術力、そして安全性に対するこだわりが伝わりましたか?
商品開発の裏側を知ることで、安心してその商品を使う事が出来ると思いますね!
紹介していたMTBプロテクター "Rynolite Jacket"は、4月頃に入荷してくる予定です。
気になった方は店頭でも実際に触れて、その手で確かめてみてくださいね。
それでは!