こんにちは!
早速今回のブログのテーマですが、
ダイネーゼ?Part.1の続編になります!
前作はリンクからご覧いただけますので、
ご興味がございましたらぜひご覧ください😌
それでは続編スタートです!
時は1970年代後半。
ダイネーゼが会社を立ち上げ間もないころ...
あるライダーが時速230kmでマシンのコントロールを
失い、クッションも何もないポールに激突😨
一命は取り留めましたが、後遺症で半身不随に
なってしまいました...。
このニュースはダイネーゼに大きなインパクトを与え、
「二度と、このようなことがないようにしたい!」と
決意し、新たなバックプロテクターの開発を始めます🤔
自主的にスーツの中にラバークッションを入れていた
レジェンドライダー、バリー・シーンもどんどん
スピードが上がるレース用のバイクを危惧し、
ダイネーゼにプロテクションの強化を求めていました🙏
ダイネーゼと開発デザインチームは自然生物から
新しいプロテクターの着想を得ました😲
科学とデザインを掛け合わせた当時目新しかった、
バイオミメティクスデザインを導入し、
カメやアルマジロなど参考にしたとか...
最終的に構造が最も理にかなっているロブスターが
選ばれ、写真のようなプロテクターが生まれました!
しかし、すぐには普及せず...
今までプロテクターを入れていなかった
ライダーからするとかさばることが
懸念材料だったようです...😥
しかし、一気に評価が一変する出来事がありました😲
ダイネーゼが「バックプロテクターを着けてくれ!」と
強くオファーしていた当時ダイネーゼライダー、
フレディ・スペンサーがオファーを受けたその日に
まさかの大クラッシュ😱
背中をコンクリート壁に強く叩きつけられましたが、
大事には至りませんでした🫣
この一件からバックプロテクターが重要視され、
レーシングスーツに欠かせない存在となっていきました!
また時はさかのぼり1988年。
さらなるプロテクション強化をもくろみ、
新たな要素がダイネーゼのスーツに組み込まれます。
その試みは意外な副産物を持っていました...
左右の画像を見比べてみてください🤔
赤の円で囲った部分に大きな違いが見られます。
なぜこのような盛り上がり(ハンプ)をつけたのか?
当初の目的は前項のバックプロテクターで
カバーできない頸椎を守るプロテクションをつける!
という目的でした。
それで前述の意外な副産物とは何なのか...?
詰まるところ"空力"でした😲
今でこそバイクにウィングがついたりと、
空力性能を重視した設計になっておりますが、
当時は「とりあえずカウルの中に潜り込んでおけばOK」
という初歩的なものでした。
その時はヘルメットの後頭部で乱気流が発生し、
それが影響して頭が左右に大きくブルブルと
揺れることに気づいておりませんでした🤔
乱気流による強い揺れをライダーは首の筋肉で
ガチッと支えなければなりません😥
ハンプを導入したことにより、
「...いつもよりヘルメットが安定している?」
とライダーから意外なフィードバックがあり、
1990年代に風洞実験を重ね、
短く低かったハンプが背中の中間ぐらいまで
延長され、ヘルメットと合わせて滑らかな
軌道を描く高さに再設計され、
今の形になっております👏
プロテクション・空力特性、
ハンプの役割はこれだけにとどまりません!
この逆半円錐状のスペースに飲料水を入れられる、
ハイドレーションシステムが隠されております😲
ホースでヘルメットに接続することで、
走行中に水分補給することができます👏
もう1つハンプには重要な役割があるのですが、
それは次項のお話で...👌
1995年、ダイネーゼはあることを閃きます💡
「バイクライダーのためのエアバッグを作ろう!」
確かにレーサーにとってケガは症状は軽くても
1レース休めばほかのレーサーに後れを取ります😥
それだけでなく、
ケガが原因で引退に追い込まれた選手も多くいます...
ダイネーゼはより多くのレーサーを守るべく、
ワイヤーを引き金に使ったものよりレスポンスが早い、
ワイヤレスのエアバッグ開発に乗り出したのです😢
企画、開発、実地試験が直ちに行われ、
そこからエンジニア・ライダー
セーフティーアドバイザーだけでなく、
複数の医師も研究開発に加わりました!
試作品のエアバッグはヘルメットに内蔵されており、
今のモデルとは全く違いますね🤔
2006年に改良されたモデルがアドリア・サーキットで
行われたスタントテストを無事にパスして、
翌年2007年バレンシアGPで実戦投入👏
見事にエアバッグが展開し転倒から
ライダーを守りました👍
しかし、ここからももっと改善できないか?
ということで更に研究開発が進みます。
より速く展開し、より高精度にライダーの動きを検知し、
なによりもスーツの外で展開するのではなく、
スーツの内側で展開するスマートなシルエットへ...
そうです!
これが前項のハンプのもう1つの重要な役割である、
エアバッグシステムの収納スペース😲
外側からガスジェネレーター、GPSセンサー、
加速度センサー、ジャイロセンサー、
バッテリーが入っており、全体をスリムに
まとめることに成功しています👏
最初はパンパンに膨らんでいたエアバッグですが、
さらなる技術研究の成果により、コンパクト化。
サーキットで負う防ぎにくいケガはどこなのか?
このテーマに沿って過去のクラッシュデータを解析。
人間工学に基づいてバイク上での運動の妨げとなる
防護範囲の取捨選択を行った結果、
肩・首回り・鎖骨の3ヶ所に絞られました😲
ダイネーゼはエアバッグの中身にもこだわります😲
一般的なエアバッグは言わば"風船"。
しかしピンポイントでの衝撃に物凄く弱く、
エアバッグをかわしてダメージを受けてしまいます😥
そこでD-airはエアバッグ内に強靭なフィラメントを
無数に張り巡らせ、膨らむ厚さを5cmに制限😲
これによりピンポイントに衝撃が当たっても、
衝撃を受けていない部分が5cm以上膨らまないので、
結果、ダメージが伝わらないという発明をしました👍
さらにダイネーゼは2018年のMotoGPクラスの
エアバッグ義務化に向けて、メーカー間を超えて
このD-airを導入できる、「D-Air Armor」
というオープンプラットフォームを開発し、
現在も他ブランドに供給をしております👏
(写真左にはD-air by DAINESEの文字があります)
そして2023年現在もD-airの進化は続いています!
今までエアバッグが展開すると、その度にエアバッグと
ガスジェネレーターの交換が必要でした...
2023年に発表されたモデルに驚きました😲
なんと新しいD-airは3回まで展開できるようになり、
赤い円でマークしたガスカートリッジの交換だけで
すぐに使えるようになりました👏
研究と改良を続けたダイネーゼが今年送り出した
新しいMUGELLO 3 LEATHER SUITの重量は
わずか5.5kgで、以前のモデルより1kg軽いです👏
この5.5kgの数値は全メーカーのエアバッグを搭載した
レーシングスーツの中で1番軽量なのです😲
そのほかにも快適性・安全性・運動性を向上させる
テクノロジーが惜しみなく投入されています!
この最新のスーツにはダイネーゼが今まで進化してきた
全てといっても過言ではございません!
いち早く問題に気づき、研究を重ね、
常に改良・進化し続け、基礎を築く...。
これは並大抵のことではございません😣
これもダイネーゼの「ライダーを守りたい」という
熱い思いがそうさせてきたのだと感じます。
今、この時間も研究を続けているダイネーゼが
また1つ、新たな基礎を築くでしょう。
それでは次のブログでお会いしましょう!
Arrivederci~🏍️