こんにちは!
今回のブログのテーマですが、
現代のレーシングスーツの基礎を作ったのは
ダイネーゼ?の番外編になります!
前作はリンクからご覧いただけますので、
ご興味がございましたらぜひご覧ください😌
・Part.2
それでは番外編スタートです!
本題に入る前にDaineseを語るうえで欠かせない
1人の偉大なライダーを紹介させてください🙏
彼の名はヴァレンティーノ・ロッシ。
愛称はヴァレ、医者のようにマシンの状態把握や
セットアップを行う様から
トラック上でのあだ名は「THE Doctor」
普通の選手なら30代半ばで
現役レーサーを引退しますが、
なんと42才までMotoGPを走っていた
まさに生きる伝説です😲
世界選手権参戦以来、
15年間で9回のワールドチャンピオンを獲得し、
引退翌年の2022年からは4輪レースの世界で戦っており、
BMWのワークスドライバー契約を結んで、
あのル・マン24時間耐久レースにも出場する予定です😲
では、なぜ彼の存在がDaineseに欠かせないのか...?
もし彼がいなければ、
Daineseはモーターサイクルウェア界のトップを
リードできなかったといっても過言ではないからです😲
彼の1994年から現在に続くキャリアは
常にDaineseと共にありました。
そんな彼はグランプリクラスの経験から、
レーシングギアがもっと安全にさらに快適になる
アイディアをダイネーゼに提案したり、
逆にダイネーゼからの試作品を
実戦でテストしてくれました😊
その中で今では標準的な装備に
なっているものもあれば、
Daineseにしかない独自の装備もございます!
今回はその2つのプロジェクトを見ていきましょう👍
時はさかのぼり2002年、シーズン途中に
名だたるDaineseの契約ライダーの中でも
ヴァレンティーノ1人だけに先駆けて、
新たなレーシングスーツが提供されます。
左右の写真を見比べていただくと肩と膝に
メタルプレートが配置されているのが分かります😲
※隠れておりますが、肘にも同様のプレートが装備されております。
バイクで転倒した際によくあるシチュエーションが、
バイクから落ちる→着地→地面を滑る
→地面に何かが引っ掛かって転がる
最後の転がりにより大きなケガをする状況に
陥ってしまいます😥
肩・肘・膝、この3点は猛スピードで転倒した際に、
"転がり"へのトリガーになってしまう可能性が
非常に高く、早急に対策が求められました。
特に肘は腕ごと捻じれて体の内側に巻き込んでしまい、
骨折や靭帯損傷を引き起こしかねません...。
そこでダイネーゼは"転倒したライダーを滑らせる"
という安全思想のもと耐熱性、耐摩擦性、
耐摩耗性に優れ、プラスチックより摩擦抵抗の少ない
金属プレートを肩・肘・膝に装備いたしました😲
上位グレードのレーシングスーツにはチタン製、
それ以外のモデルにはアルミ製のスライダーが
装着されております👏
こういった流れを受けて、
ヴァレンティーノへの実験導入を皮切りに
Dainese契約ライダー全員に
メタルスライダーが装備されたスーツが提供され、
他のメーカーも肩や膝にスライダーを設けた新モデルを
レーサーに提供していきました😲
がしかし、Dainese以外の全メーカーが
メタルスライダーを使っているのか?
その答えは"No"です😤
実はレーシングスーツにメタルスライダーを
装備することはダイネーゼが特許を取得しているので、
他のメーカーは樹脂系素材のスライダーを
採用しております😲
なのでメタルスライダーは
Daineseの代名詞ともいえますね😊
またさらに時はさかのぼり1996年。
当時まだ17歳であったヴァレンティーノが125cc
GPクラスに出場した際、履いていたレーシングブーツは
Dainese製ではありませんでした😲
この時代は今のGPレーサーのようにレーシングギアの
メーカー統一があまり主流ではありませんでした。
(※特にブーツは群雄割拠、盛者必衰の時代でした)
そして時は流れ1998年。
ヴァレンティーノが250ccクラスへステップアップし、
彼の今まで誰も見たことない足元に衝撃が走り、
注目が集まりました😲
ダイネーゼがヴァレンティーノの才能を見込み、
1997年に選手にリリースされ始めたばかりで
開発中のINブーツを彼へ提供しました👏
ここから彼を中心として最も安全なブーツを目指した
Axial INブーツプロジェクトがスタートします!
これまで...といいますか、現在もですが、
レーシングブーツの主流はブーツに
レーシングスーツの裾を入れるOUTブーツです🤔
それでは今もなおINブーツにダイネーゼが
こだわる理由はどこにあるのでしょうか?
ダイネーゼはライダーが転倒後、
地面との摩擦抵抗が原因でゴロゴロと転がる様から、
転倒後の回転運動でライダーが
打撲、骨折などのケガをしていることに気づきます😲
では地面との摩擦抵抗を減らすにはどうすればよいか...
「全体を滑らかで段差のないシルエットにすれば、
摩擦抵抗は格段に減る!」
ということでスキー用のようなゴツゴツしたブーツは
選手に供給しないこととなりました😲
ブーツ内部にはカーボンと
防弾チョッキにも使われるアラミドの複合フレームが
採用され、軽量ながら最高の強度を誇っております!
この強靭なフレームは、
ハイサイドによるスイングと着地の衝撃を
軽さにより軽減し、
ローサイドで発生する、
バイクが足を押しつぶすのを防いでくれます👏
安全を語るうえで外せない概念、
"アクティブセーフティー"
アクシデントを未然に防いだり、
ライダーが受けるダメージを制限するというもので、
まさにこのINブーツはアクティブセーフティーを
体現しているブーツです👍
操作性や軽さからくる履き心地をヴァレンティーは
「まるでスニーカーを履いているみたいだ!」と
評価しております👏
私も何度も試着しておりますが、
ケガにつながる方向には曲がったり、
捻じれたりはせず、シフト操作や歩く際の縦方向のみ
柔軟に動いてくれるので、ブーツを履いているという
感覚がOUTブーツに比べてございません😲
このブログを書くにあたりいろいろ
リサーチをしていたところ、
Dainese以外のレーシングスーツでも
このAxial bootsを履いている選手がいました😲
※左: Xavier Artigas(Moto2) 右: Noah Dettwiler(Moto3)
てっきりDainese専用のモデルかと思っておりましたが、
Axial bootsに対応するため、わざわざレーシングスーツ
の設計を変えるメーカーがあることに驚きですね😲
INブーツの性能が他社にも認められているんですね😊
いかがでしたでしょうか?
スタンダードを作って他社をリードし、
独自路線をひた走り唯一無二を作り出す。
そのDaineseの研究を支える、1人の"ドクター"。
ヴァレンティーノは引退しましたが、
彼の愛弟子たちが現在第一線で活躍しております!
彼らもDainese Familyとして、
最新のモデルをテストしております!
彼らのさらなる活躍と、Daineseの新たなる挑戦を
2024年シーズンもお見逃しなく👍
それでは次のブログでお会いしましょう!
Arrivederci~🏍️