「レザーパンツって、夏は暑くて無理じゃない?」と思っていませんか?
たしかに、昔ながらの分厚くて通気性のないレザーなら、真夏のライディングは拷問のよう。しかし、最近のバイク用レザーパンツは、素材や設計が大きく進化していて、「夏でも使える」どころか「夏こそ使いたい」ギアになっています。
この記事では、レザーパンツの意外な夏向きの特徴や、プロライダーも愛用する理由、さらに具体的な使い方のアイデアまで、プロフェッショナルな視点からご紹介します。
「汗だくになるからメッシュパンツ一択」という方も、きっと考えが変わるはず。安全性はもちろん、快適性まで両立した最新のレザーパンツ事情を、ぜひ最後までご覧ください。
レザーパンツの基本性能と夏に不向きと思われがちな理由
レザーパンツは、耐摩耗性に優れた素材として、サーキット走行やスポーツライディングでは定番の装備です。牛革やカンガルー革などが主に使用され、事故時の滑走や転倒において、ファブリック(布生地)と比較し、はるかに安全に人体を守ることができます。
しかし、こうした高い保護性能ゆえに、熱がこもりやすく、通気性に劣るというデメリットがあるのも事実です。特に日本の蒸し暑い夏には「履けたもんじゃない」と敬遠されがちです。
とはいえ、現在のレザーパンツは、この「熱がこもる」という弱点を克服するための工夫が随所に施されています。
通気性を高める加工技術
近年のレザーパンツには、パンチング加工(パーフォレーション)が広く採用されています。
これは、太ももや腰回りに小さな穴を無数に開け、通気性を確保する技術です。穴が空いているといっても、強度が落ちるわけではなく、むしろ高い技術で配置されたパンチングが、汗や熱のこもりを大幅に軽減します。
たとえば、ダイネーゼのパンチング加工(パーフォレイテッド)モデル(名称に "Perf."の略称を含む)は、前面全体にパンチング加工されたレザーが使われており、内部のエアフローを促進。
これにより、夏場でも走行している限り、パンツ内の温度上昇は最小限に抑えられる設計です。
メッシュ素材とのハイブリッド構造
最近の高機能モデルでは、メッシュファブリックやナイロン系のファブリックとレザーのハイブリッド構造も見られるようになっていますね。
レザーが必要な箇所(臀部・太もも外側など)には高耐久の本革、通気性が求められる箇所(膝裏・股下)にはストレッチメッシュ素材を使うことで、全体の通気性と動きやすさを両立。
このような場合、レザーには濡れても良いウォッシャブルレザーを使うことも多いようです。
安全性とスタイルを両立する“夏でも使える”選び方
快適性だけでなく、安全性の観点からも、夏のライディングにレザーパンツはおすすめです。特に、都市部の交通量が多いエリアやワインディングロードでは、万が一の際の保護性能が非常に重要です。
さらに、実はレザーパンツは通常のデニム生地やメッシュ生地に比べ熱伝導率が低い為、真夏のツーリング中の低温やけど防止にもつながります。
選び方のポイントとしては、以下が挙げられます:
- パンチング加工(パーフォレイテッド)モデルを選ぶ
- インナーに、抗菌防臭加工が施されたサニタイズドライナーのような、「滑りの良いインナー生地」を使っているものを選ぶ
- ウエストや膝部分に、ストレッチ生地(オールレザーではない)があるものを選ぶ
- バイク用プロテクターが標準装備されているものを選ぶ(CE認証を取得したものを推奨)

夏の間は、アンダーウェアに吸汗速乾インナーを組み合わせることで、さらに快適性を高めることができます。この使い方はかなりおすすめですよ!
夏向けの理想のレザーパンツ「PONY(ポニー)」
PONY 3は日々のツーリングをより快適に、安全を実現するために開発されたレザーパンツ。このパンチング加工が施されたモデルは、皆さまにお勧めしたい一品です。

PONY 3 PERF. LEATHER PANTS
ヒップと膝に認証を得たプロテクターを装備し、パンチングメッシュ加工を施したTutuレザー製。Daineseのアイコン的なレザーパンツ。
※価格や仕様は予告なく変更される場合があります。最新情報はダイネーゼAGVジャパン公式サイトをご覧ください。

実際にスタッフが着用致しました。着用スタッフは180cm/70kgとなっており、普段パンツサイズは48サイズを着用しております。
着用した感想としては、全体的にタイトフィット目なサイズ感。

実際にオートバイに跨ってみました。写真の車体は1299 Super Leggeraです。
ニーグリップをすると丁度シリンダーヘッドカバーに当たり、長時間乗っていると膝辺りを低温やけどしてしまう可能性が御座います。
しかしPONY 3では膝部分はレザーでできている為、その部分の熱から身体を守ってくれます。
オートバイの排熱で一番多くの声が上がるのはフレームに当たる太ももと膝部分。PONY 3では太ももと膝部分はレザーを使用しているため、排熱対策に有効です。
また、V型エンジンに多い股裏部分もしっかりとレザーを使用しておりますので、エンジン形式を問わず真夏の熱い排熱対策にお勧めです。
いかがでしたでしょうか。台場店ではご試着も可能ですので、オートバイとの相性も確認できます。
まとめ
夏にレザーパンツを履くのは無謀なこと...とは一概には言えません。通気性、吸湿性、ハイブリッド素材の採用により、「夏でも使える」どころか「夏だからこそ履くべき」装備として進化を遂げているのが、現代のバイク用レザーパンツです。
安全性と快適性を両立しながら、見た目もスマート。
これからの暑い季節、メッシュパンツ一択ではなく、ぜひ最新のレザーパンツも候補に入れてみてはいかがでしょうか。