最適なヘルメット選びのために知っておくべき安全規格

作成日 2025年2月16日 | 最終更新日 2025年9月22日
By 福岡店スタッフ

今回はヘルメットの安全規格について詳しくまとめています。
AGVでは製品ページやブログにて記載していますが、それぞれの安全規格にはどういった違いがあるのかご存じではないかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

まずは簡単にご紹介させていただきます。
PSCマーク:日本で乗車用ヘルメットを販売する際に必要なマークです。
SGマーク:取得は任意の規格で、事故が起きた際の被害者救済制度という損害による一定の賠償をする制度があります。
JISマーク:取得は任意の規格で、PSC、SGの指標とされている厳しい安全基準を持つ規格です。
MFJマーク:主に日本国内での2輪レース、競技にて必要とされる規格です。
ECE2206:主にヨーロッパで使われる規格で、SNELL規格と同等の安全性を有しています。
SNELL規格:5年に1回安全基準が改定され、より厳しくなることで有名な規格です。
DOTマーク:アメリカで乗車用ヘルメットとして販売する際に必要とされる規格です。
詳しくは上記の順で記載しております。

PSCマーク

まずご紹介するのは、PSCマークです。
PSCマークは国が定めた安全基準に適合した製品にのみ表示されるマークです。
日本国内で乗車用ヘルメットを販売する際には取得が必須な規格となっており、取得していないヘルメットは乗車用ヘルメットとしての販売が禁止されています。
そのため国内で販売されている乗車用ヘルメットには基本的にPSCマークがついているため、安全基準を満たしているか確認できる1つの目安です。
PSCマークは平成22年3月に安全基準が改正され、JIS規格相当の安全基準を要求されるようになりました。

50-2

SGマーク

次にご紹介するのはSGマークです。
SGマークは一般財団法人製品安全協会が定めている規格です。
PSCマークとは異なり取得が必須な規格ではなく、任意の規格となっており企業が自主的に取得しています。
SGマークにはSGマーク被害者救済制度という制度があります。
こちらはSGマークがついた製品で事故が起き、消費者がけがをしたり命を落とした場合、損害を一定額まで賠償する制度です。賠償額は1事故につき最大1億円で、1人あたりも最大1億円です。対象は日本国内で、SGマークが有効な期間内に起きた事故のみです。
ヘルメットを選ぶ際は、もしものことを考えSGマークを取得しているモデルをおすすめします。

51-2

JISマーク

JIS規格は日本産業産業標準調査会が産業標準化法に基づき制定された日本の国家規格です。
こちらもSGマークと同様に取得が必須な規格ではなく、企業の意思によって取得する規格となっております。
JIS規格には、耐貫通性や衝撃吸収性、あごひもなどへのがあり厳しい性能テストを経て認定されており、とても高い安全基準となっております。
そしてSGマークとは異なり、人身事故の際の賠償等はございません。
JIS規格には2種類あり125㏄以下用と無制限の自動2輪用とがあるので注意が必要となってきます。

MFJマーク

MFJ規格は財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会が定めている規格です。
MFJマークはMFJの公認レースに出場する際に、必要とされる規格です。
MFJの公認を得るにはJIS規格の安全試験に通過していることが前提となり、そこからさらに厳しい耐貫通試験に通過することが求められます。
現在AGVではMFJ公認モデルであるPISTA GP RR を取り扱いがございますので取り寄せ等、ご相談ございましたら是非お問い合わせください。

ブログ用) 長方形(横) - 大きいサイズ (3)

ECE規格

欧州経済委員会が定めている規格で、主にヨーロッパで広く使われている安全基準です。
ECE2205は19年間施工されてきましたが2021年1月1日から新たなECE2206へと規格を更新し、市場で販売するヘルメットに求められる安全性のレベルを引き上げました。
新たなECE2206は下記の文章のように以前のECE2205と比べ、より厳格で正確な一連のテストで、より高い保護レベルを要求しています。

ECE2205
旧規格のECE2205では、ヘルメットのシェルにある5つのポイント(フロント、トップ、バック、サイド、チンガード)が、アンビル(鋼鉄製の部品が設置された装置)に対する衝撃を受けるポイントとして評価に使用されていました。

ECE2206
最新のECE2206ではヘルメットごとに合計18項目のテストを行い、フルフェイスモデルの場合はそのうちの1項目がチンガードのテストとなります。
つまり、メーカーは評価されるポイントが効果的な保護機能を備えていることを保証する必要があります。
そしてバイザーの耐貫通試験も実施されており、バイザーは鉄球の通過を防ぎ、割れた場合でも粉々にならないようにする必要があります。

ECE2206は後ほどご紹介するSNELL規格と同等の安全基準の厳しさとなっており、MotoGPから承認を得ている規格となっております。

新しい基準 - ECE22-06ヘルメットのホモロゲーションの仕組み

SNELL規格

SNELL規格は、1957年に設立された非営利組織スネル記念財団によって定められ、バイクレースで命を落としたピート・スネル氏の友人が運営しています。
この規格は、ライダーが安全なヘルメットを選び、安全に走行できるようにすることを目的としています。
SNELL規格は、安全基準が特に厳しく、それに加え5年ごとに安全基準が更新されさらに厳しくなることで有名です。
SNELL規格のモーターサイクル用の最新の基準はM2025DとM2025Rと2種類あります。
それぞれの違いとしてはM2025Dは通常のバイク走行に対応する基準となっております。
M2025Rは主に競技やレースに特化した規格となっておりより厳しい衝撃吸収性能や耐久性、視界の広さなどが要求され、レース中の極端な衝撃に耐える設計となっています。

最後にAGVの各モデルをご紹介いたします、ぜひご覧ください。

K1 S JIST Asian Fit - SOLELUNA 2018 image

K1 S JIST Asian Fit - SOLELUNA 2018

K3 JIST Asian Fit - ROSSI WT PHILLIP ISLAND 2005 image

K3 JIST Asian Fit - ROSSI WT PHILLIP ISLAND 2005

K6 S JIST Asian Fit - SIC58 image

K6 S JIST Asian Fit - SIC58

PISTA GP RR JIST Asian Fit 003-ITALIA CARBONIO FORGIATO image

PISTA GP RR JIST Asian Fit 003-ITALIA CARBONIO FORGIATO

 

取り寄せやご相談などございましたら、ぜひお問い合わせください。
福岡店にてご来店お待ちしております。

Tags: モーターサイクル, AGV, ヘルメット

福岡ブログトップへ

ブログ最新記事を通知 (週1回)

関連記事

ヘルメットの複数持ちはアリ?使い分けてわかったAGVヘルメットの違い

ヘルメットは一つあれば十分? そう思っていた私が、実際に複数モデルを使い分けてみて気づいた”意外な違い”があります。今回は、スタッフの実体験をもとにその理由をお伝えします。ぜひ最後までご覧くださいませ。

デザインと機能性を両立する”K7”

今回は、ツーリングとスポーツの要素を融合した新作ヘルメット”K7”をご紹介いたします。 K7は、スポーツツアラーとしての快適性、街中での優れた操作性、さらにはスポーツポジションでの走行性能まで、あらゆるスタイルに柔軟に対応できる設計とデザインを兼ね備えています。

高性能スポーツシューズ「SUPERYA SHOES」

日差しに夏の気配を感じるこの頃、バイクで駆け抜けるには最高のシーズンがやってきました。ツーリングやワインディングがさらに楽しくなるこの時期、ギア選びにも自然と力が入るのではないでしょうか?今回は、そんな春夏のライディングシーンに最適な、ダイネーゼの最新ライディングシューズをご紹介します。

快適性と安全性の両立を実現したヘルメット「K6S」

今回は、AGVの最軽量モデル K6S に新たなグラフィックが登場しましたので、K6Sの性能を改めてご紹介します。 K6Sは、安全性・快適性・パフォーマンスのすべてを高いレベルで備えており、どんなライディングスタイルにもマッチする万能なヘルメットです。

快適さとスタイルを両立させるヘルメット AX9

今回はデュアルパーパスモデルで、幅広いスタイルでお使いいただけるモデル AGV AX9 をご紹介いたします。

PISTA GP RR ロッシの象徴ともいえるSOLELUNAシリーズを解説

ヴァレンティーノ・ロッシの「SOLELUNA」シリーズは、彼のレースキャリアと個性が色濃く反映された象徴的なデザインです。2021年から2023年までのヘルメットグラフィックは、毎年微細な変化を遂げ、ロッシらしい情熱と創造力が表れています。これらのモデルを振り返り、その魅力に迫ります。

最適なヘルメットとは?シーン別に推奨モデルを紹介します

オートバイを乗り換える際や複数台所持する場合に、適切なヘルメットの選択に関する疑問が生じることがあります。バイクごとに専用のヘルメットを所有している方は少数派でしょう。今回は、さまざまなシーンに応じた厳選された選択肢をご紹介いたしますので、初めてのヘルメット選びや乗り換えの際にご参考にしてください。

【福岡ツーリング】 バイクの旅を楽しむための装備、必要な準備とは?

福岡は、自然豊かで美しい風景があり、山も海も楽しめる魅力が詰まった場所。バイクツーリングを楽しむにはまさにぴったりのエリアです。 しかし快適で安全なツーリングを楽しむためには、しっかりとした装備と準備も大切。 このブログでは、ツーリングの必要な装備のポイントを詳しく解説していきます。

幅広い季節で快適なアーバンスタイル防水レディースジャケット【CENTRALE】

バイクライディングを楽しむ女性たちにとって、スタイリッシュで安全なジャケットは欠かせないものです。 "CENTRALE ABSØLUTESHELL™ PRO JACKET WMN"は、軽量で機能的なデザインを特徴としており、女性のスタイルにぴったりフィットするレディースジャケットです。 アウトドアウェアの機能を取り入れたデザインは、あらゆる季節や天候に対応し、スタイルと安全性を両立させます。

ダイネーゼの革新技術が生んだレーシングスーツ【TOSA】

レーシングスーツにおいて、安全性は切り離せない要素です。 ダイネーゼが提供する最新のレーシングスーツはTutuカウハイドレザーと革新的なプロテクション技術を駆使し、ライダーに最高の保護と快適さを実現しています。 今回はダイネーゼのスーツがどのようにして高い安全性と動きの自由度を両立させているのか、その特長をご紹介していきます。 特にサーキットをスポーツ走行や走行会でのご使用を検討中の方におすすめのモデルです。 ※ MFJ公認モデル

予約受付開始! 世界3000個限定 AGV PISTA GP RR【PANTERA】

バレンティーノ・ロッシをはじめとした世界のトップライダーを守り続ける、AGVのレーシングモデル "PISTA GP RR" より新たな限定モデルが登場致します。

快適性と安全性を兼ね備えたスポーツライディングレザーパンツ【DELTA 4】

バイクライダーにとって、快適さと安全性は最も重要な要素です。 その要求に応えるべくデザインされた革新的なライディングパンツ"DELTA 4 LEATHER PANTS"は、 激しい走行でも快適さと安全性を保ちつつ、スタイリッシュなデザインを提供します。

タグ別の記事

 

ダイネーゼ 福岡店 Map
812-0008 福岡県福岡市博多区東光2-17-23
TEL.092-292-1790
営業時間 10:00 - 19:00
定休日 水曜日 + 第2/4火曜日 (祝日の場合は営業・翌日に振替)