ライディングギアの中でも、操作性に直結するグローブ。適当に選ぶわけにはいきませんよね。操作性はもちろん、転倒時には怪我をしやすい手を守る役割も担っています。だからこそ、フィット感や操作性だけでなく、安全性にも目を向けたいところです。今回は、グローブの安全性にフォーカスして解説します。初心者からベテランまで、グローブ選びの参考になれば幸いです。
バイク用グローブはつけた方がいい?
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二輪教習で軍手を着用したことはあるでしょうか。
私が二輪免許を取得した十数年前は、肘と膝には樹脂製のプロテクターを装着する一方、グローブは軍手でもOKでした。「そんなものなんだ……」と、初心者ながらに思ったことを今でも覚えています。
しかし、調べてみると、最近では軍手の使用を認めていない教習所も多いようです。
では、なぜバイクに乗る際、手を保護するグローブが必要なのでしょうか。
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例えば、バランスを崩してしまったときや、軽いローサイドの転倒をしたとき。そんな場面でも、反射的に手をついてしまうことは十分に考えられます。
その際、アスファルトに素手が接触すれば、擦過傷などの大きな怪我につながるおそれがあります。
とっさに手を出してしまうからこそ、万が一に備えてグローブを装着することが大切なのです。
――でも、違法ではないよね?
おっしゃる通りです。
日本の道路交通法では、二輪車の運転時にヘルメットの着用が義務付けられていますが、グローブの着用は義務ではありません。
つまり、公道でグローブを装着せずに運転しても、それ自体が違反になるわけではないのです。
一方、海外に目を向けると、グローブの着用を義務付けている国もあります。そのひとつがフランスです。
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フランスでは、バイクの運転者と同乗者に対して、欧州の安全規格 EN 13594 に適合したグローブの着用が義務付けられています。違反した場合には、罰金の対象となります。
このように、国によってはグローブの着用だけでなく、その安全性にまで基準を設けています。
グローブは単なる操作性を補助するアイテムではなく、万が一の際に手を守るための重要なライディングギアなのです。
では、何を選べばいいのか
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バイク用品店に行くと、さまざまな種類のグローブが並んでいます。メーカーによってサイズ感が異なり、見た目が似ていても価格には大きな差がある……。結局、何を基準に選べばいいのかわからない。
特に初心者のうちは、そんな場面もあるのではないでしょうか。
そこで、グローブ選びのひとつの指標として知っておきたいのが、
先ほども登場した欧州の安全規格「EN 13594」です。
バイクグローブの安全規格「EN 13594」とは?
バイク用グローブの安全性を判断するうえで、目安となるのがCE規格です。
CEマーキングは、製品が該当するEUの法令で定められた要求事項に適合していることを示すものです。バイク用グローブの場合、適用される安全規格のひとつが「EN 13594」です。
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この規格では、ライダーの手を保護するために、グローブの構造や保護性能などについて要件が定められています。
具体的には、次のような項目が評価されます。
耐摩耗性
転倒時に路面と接触した際、グローブがどれだけ摩耗に耐えられるかを評価します。
耐引裂性・縫合部の強度
路面との接触などによって、素材が裂けたり縫い目が開いたりしにくいかを評価します。
衝撃に対する保護性能
手の甲などに備わるプロテクターについて、衝撃に対する保護性能を評価します。
EN 13594では、保護性能に応じた区分が設けられており、製品によって満たしている要件が異なります。安全規格は、グローブの保護性能を判断するうえで重要な指標のひとつです。
一方、グローブの保護性能や操作性は、使用される素材やプロテクターの形状、補強の配置など、各部の構造にも関わっています。
ここからは、ナックルプロテクターや手のひらの補強など、グローブに採用されている部材や構造の違いを見ていきましょう。
保護性能を高める部材たち
グローブは、用途に応じてさまざまな素材や部材を組み合わせて作られています。
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例えば、夏用グローブでは通気性に優れた生地を採用し、手のひらには路面との接触を想定した補強を施す。冬用グローブでは、防水フィルムや保温性を備えた素材に加え、ナックルプロテクターなどを組み合わせたモデルもあります。
このように、素材や部材によって、グローブの快適性や保護性能は異なります。
ここからは、ナックルプロテクターや手のひらの補強など、グローブの保護性能に関わる部材に注目し、それぞれの特徴を紹介します。
1. グローブ本体に使われる素材
ゴートスキン(山羊革)

しなやかさと耐摩耗性を備えたレザー素材です。グローブでは、手のひらや補強部分など、耐久性が求められる箇所にも採用されています。
シープスキン(羊革)
柔らかく、きめの細かい質感が特徴のレザー素材です。ゴートスキンなど、ほかの素材と組み合わせながら、グローブの部位に応じて使い分けられています。
スウェード系素材

スウェード特有の起毛した表面は、柔らかな質感が特徴です。グローブでは、手のひらなどにスウェード系の素材が採用されることがあります。素材の種類や表面の仕上げは製品によって異なり、ダイネーゼでもモデルごとに異なる素材が使用されています。
アラミド繊維

耐熱性や耐摩耗性、引張強度に優れた高機能繊維です。軽量でありながら高い強度を備えており、摩耗や引き裂きへの対策としてグローブに使用されます。
(画像内、黄色い繊維がアラミド繊維。)
2. ナックルプロテクターの素材と構造
ナックルプロテクターは、転倒時などに衝撃や路面との接触から手の甲を保護するための部材です。
採用される素材や構造にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。
樹脂製プロテクター

樹脂製プロテクターは、形状や硬さ、構造の自由度が高く、さまざまなグローブに採用されています。グローブの生地に組み込むタイプなどもあり、保護性能と装着感のバランスを考慮した設計が特徴です。
カーボンプロテクター

カーボン繊維を樹脂で固めた複合素材を使用しています。軽量でありながら高い剛性を備えていることが特徴で、軽さと保護性能の両立が求められるレーシンググローブなどに採用されています。
金属製プロテクター

アルミニウムなどの金属素材を用いたプロテクターです。素材自体の特性に加え、プロテクターの形状や配置も保護性能に関わる重要な要素です。転倒時の路面との接触を想定し、接触時の力の伝わり方なども考慮して設計されています。
チタン製プロテクター

FULL METAL 7 GLOVESでは、PU(ポリウレタン)ベースにチタンプレートを組み合わせた「PRO-TEK チタンナックル」を採用しています。
指の関節に沿ったあらかじめ曲げられた形状により、手の動かしやすさと快適な装着感に配慮。チタンプレートとPUベースを組み合わせることで、強い衝撃や圧力から手を保護する構造となっています。また、転倒時の危険なねじれや引っ掛かりのリスク軽減にも配慮されています。
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グローブの保護性能は、素材だけでなく、プロテクターの形状や配置、縫製など、さまざまな要素によって成り立っています。
素材や構造による違いを知ることは、自分のライディングスタイルに合ったグローブを選ぶうえでも大切です。
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記事作成 : 福岡店スタッフ