朝晩のひんやりとした空気を肌で感じるようになると、本格的に冬装備の準備を始めるライダーも多いはずです。しかし、いざ準備をしようとしても「何を基準に」「どんなアイテムを選べばよいのか」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。とくに初心者ライダーにとっては悩みどころですよね。
今回は、老舗バイク用品メーカー・ダイネーゼがオススメする“冬の必須アイテム”と、その選び方の基本を解説します。
1. 防寒の基本とは
一般的な防寒といえば、何を思い浮かべますか?
ダウンジャケット、コート、マフラー……これらのアイテムの主な役割は「断熱」と「保温」です。
では、バイクウェアという視点で見たときに、同じような防寒アイテムを組み合わせれば解決するのでしょうか?
答えは――いいえ、そうとは限りません。
なぜなら、バイクに乗ると冷たい空気を自ら切り裂いて進むことになり、常に走行風にさらされるためです。高速走行中は、たとえ外気温10℃でも、風圧によって体感温度は一気に5℃以下まで下がることもあります。
体温が急激に奪われる状況では、いくら保温性が高くても十分な効果を発揮できません。
さらに、保温性を重視するあまり生地が厚くなると、動きにくくなったり、何かに引っかかったりと、思わぬ事故につながる危険もあります。
バイクウェアに求められる性能の中心は「風を遮断する防風性」です。
ただし、保温性も欠かせません。
防風性と動きやすさを両立させるためには、薄くて効果的なバイク用インナーを取り入れることが、冬のライディングを快適にするカギとなります。
2. 走行風への対策
バイクで走り出すと、身体は常に走行風にさらされます。
では、冷気はどこから侵入し、どのように体温を奪っていくのでしょうか。
そのメカニズムを理解すれば、より効果的な防寒対策が可能です。
ここでは、特に注意すべき3つのポイントをご紹介します。
① 首元
ウェアとヘルメットのすき間――首元は最も冷気が入りやすい箇所のひとつです。
首には太い血管が通っており、ここを冷やすことは全身の冷えにつながります。
また、前傾姿勢が強いスポーツバイクでは、走行風が首元からジャケット内に流れ込みやすくなるため、ネックウォーマーや防風インナーの併用が効果的です。
② 手首
スロットル操作やブレーキングなど、動きの多い手首は外気の侵入を許しやすい部分です。
袖口は進行方向に向かって開く形状のため、風を受けやすく、冷気が入り込みやすい構造になっています。
グローブとジャケットの重なりをしっかり確保し、袖口を風上側に被せるように調整すると防風効果が高まります。
たった数ミリの重なりでも、走行1時間後の快適さがまったく違います。
③ フロントファスナー
「ジャケットを閉めていれば安心」と思いがちですが、意外な盲点がフロントファスナーです。
一般的なファスナーは金具の噛み合わせ部分にわずかな隙間があり、そこから冷気が侵入します。
防風フラップ付き、またはダブルファスナー構造のウェアを選ぶことで、この弱点をしっかりカバーできます。
こうした「首・手首・ファスナー部」といった細部への対策こそが、冬の快適な走行を大きく左右します
3. 防風対策に特化したセカンドレイヤー
ここまで紹介した防風の基本と走行風対策。
そのポイントをすべて押さえつつ、実際の走行で頼れるセカンドレイヤーをお探しの方に――
ダイネーゼが提案するのが「D-MANTLE FLEECE WS」です。
D-MANTLE FLEECE WS
ツーリング愛好家に向けたこのメンズフリースは、99%の断熱性能を持っています。
※価格や仕様は予告なく変更される場合があります。最新情報はダイネーゼAGVジャパン公式サイトをご覧ください。
■ 防風性能を高めるオフセットファスナー構造

まず目を引くのが、あえてセンターからずらした独特のフロントファスナー。
走行中、ファスナーの噛み合わせ部分から侵入しやすい冷気を、防風フリース層がブロックします。
街着では見られないこの設計は、走行風を真正面から受けるライダーのための発想です。
■ 首元を守るハイネック設計
冬のツーリングで特に冷えやすいのが首元。
「D-MANTLE FLEECE WS」はハイネック構造により、首の太い血管を効率的に保温しながら、ヘルメット下部との隙間を埋めて風の侵入を防ぎます。
ネックウォーマーを併用すれば、さらに快適性がアップします。
■ サムホール構造で手首をガード
袖口にはサムホール(親指を通す穴)を配置。
グローブを装着すれば、手首からの外気侵入をほぼシャットアウトします。
長時間の走行でも手先の冷えを最小限に抑えられ、操作性を損ないません。
■ 軽さと動きやすさのバランス
生地には防風性の高いWindstopper®(ウィンドストッパー)素材を採用。
ストレッチ性に優れ、ライディングポジションを取っても突っ張らず、厚着による動作制限がほとんどありません。
また、重ね着を前提として作られているため、袖口が滑りやすく上からジャケットを羽織ったり脱いだりといった動作をしやすいのは、隠れたメリットでもあります。
■ こんなライダーにおすすめ
- 高速道路走行が多く、走行風の冷たさに悩んでいる方
- インナー+ジャケットの中間層でしっかり防風したい方
- 動きやすさを犠牲にせず、防寒性を確保したい方
冬の快適性は、装備選びで大きく変わります。
防風性・保温性・動きやすさ――そのすべてをバランス良く備えたD-MANTLE FLEECE WSは、まさに冬ライディングの頼れる“第二の壁”。
一度着て走り出せば、肩や胸に感じる風の冷たさが明らかに違うことに気づくはずです。
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記事作成 : 谷岡(タニオカ)