今回はヘルメットの安全規格について詳しくまとめています。
AGVでは製品ページやブログにて記載していますが、それぞれの安全規格にはどういった違いがあるのかご存じではないかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
まずは簡単にご紹介させていただきます。
PSCマーク:日本で乗車用ヘルメットを販売する際に必要なマークです。
SGマーク:取得は任意の規格で、事故が起きた際の被害者救済制度という損害による一定の賠償をする制度があります。
JISマーク:取得は任意の規格で、PSC、SGの指標とされている厳しい安全基準を持つ規格です。
MFJマーク:主に日本国内での2輪レース、競技にて必要とされる規格です。
ECE2206:主にヨーロッパで使われる規格で、SNELL規格と同等の安全性を有しています。
SNELL規格:5年に1回安全基準が改定され、より厳しくなることで有名な規格です。
DOTマーク:アメリカで乗車用ヘルメットとして販売する際に必要とされる規格です。
詳しくは上記の順で記載しております。
PSCマーク
まずご紹介するのは、PSCマークです。
PSCマークは国が定めた安全基準に適合した製品にのみ表示されるマークです。
日本国内で乗車用ヘルメットを販売する際には取得が必須な規格となっており、取得していないヘルメットは乗車用ヘルメットとしての販売が禁止されています。
そのため国内で販売されている乗車用ヘルメットには基本的にPSCマークがついているため、安全基準を満たしているか確認できる1つの目安です。
PSCマークは平成22年3月に安全基準が改正され、JIS規格相当の安全基準を要求されるようになりました。
SGマーク
次にご紹介するのはSGマークです。
SGマークは一般財団法人製品安全協会が定めている規格です。
PSCマークとは異なり取得が必須な規格ではなく、任意の規格となっており企業が自主的に取得しています。
SGマークにはSGマーク被害者救済制度という制度があります。
こちらはSGマークがついた製品で事故が起き、消費者がけがをしたり命を落とした場合、損害を一定額まで賠償する制度です。賠償額は1事故につき最大1億円で、1人あたりも最大1億円です。対象は日本国内で、SGマークが有効な期間内に起きた事故のみです。
ヘルメットを選ぶ際は、もしものことを考えSGマークを取得しているモデルをおすすめします。
JISマーク
JIS規格は日本産業産業標準調査会が産業標準化法に基づき制定された日本の国家規格です。
こちらもSGマークと同様に取得が必須な規格ではなく、企業の意思によって取得する規格となっております。
JIS規格には、耐貫通性や衝撃吸収性、あごひもなどへのがあり厳しい性能テストを経て認定されており、とても高い安全基準となっております。
そしてSGマークとは異なり、人身事故の際の賠償等はございません。
JIS規格には2種類あり125㏄以下用と無制限の自動2輪用とがあるので注意が必要となってきます。
MFJマーク
MFJ規格は財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会が定めている規格です。
MFJマークはMFJの公認レースに出場する際に、必要とされる規格です。
MFJの公認を得るにはJIS規格の安全試験に通過していることが前提となり、そこからさらに厳しい耐貫通試験に通過することが求められます。
現在AGVではMFJ公認モデルであるPISTA GP RR を取り扱いがございますので取り寄せ等、ご相談ございましたら是非お問い合わせください。
ECE規格
欧州経済委員会が定めている規格で、主にヨーロッパで広く使われている安全基準です。
ECE2205は19年間施工されてきましたが2021年1月1日から新たなECE2206へと規格を更新し、市場で販売するヘルメットに求められる安全性のレベルを引き上げました。
新たなECE2206は下記の文章のように以前のECE2205と比べ、より厳格で正確な一連のテストで、より高い保護レベルを要求しています。
ECE2205
旧規格のECE2205では、ヘルメットのシェルにある5つのポイント(フロント、トップ、バック、サイド、チンガード)が、アンビル(鋼鉄製の部品が設置された装置)に対する衝撃を受けるポイントとして評価に使用されていました。
ECE2206
最新のECE2206ではヘルメットごとに合計18項目のテストを行い、フルフェイスモデルの場合はそのうちの1項目がチンガードのテストとなります。
つまり、メーカーは評価されるポイントが効果的な保護機能を備えていることを保証する必要があります。
そしてバイザーの耐貫通試験も実施されており、バイザーは鉄球の通過を防ぎ、割れた場合でも粉々にならないようにする必要があります。
ECE2206は後ほどご紹介するSNELL規格と同等の安全基準の厳しさとなっており、MotoGPから承認を得ている規格となっております。
新しい基準 - ECE22-06ヘルメットのホモロゲーションの仕組み
SNELL規格
SNELL規格は、1957年に設立された非営利組織スネル記念財団によって定められ、バイクレースで命を落としたピート・スネル氏の友人が運営しています。
この規格は、ライダーが安全なヘルメットを選び、安全に走行できるようにすることを目的としています。
SNELL規格は、安全基準が特に厳しく、それに加え5年ごとに安全基準が更新されさらに厳しくなることで有名です。
SNELL規格のモーターサイクル用の最新の基準はM2025DとM2025Rと2種類あります。
それぞれの違いとしてはM2025Dは通常のバイク走行に対応する基準となっております。
M2025Rは主に競技やレースに特化した規格となっておりより厳しい衝撃吸収性能や耐久性、視界の広さなどが要求され、レース中の極端な衝撃に耐える設計となっています。
最後にAGVの各モデルをご紹介いたします、ぜひご覧ください。
取り寄せやご相談などございましたら、ぜひお問い合わせください。
福岡店にてご来店お待ちしております。