春から秋にかけてのシーズンには、全国各地のサーキットで走行会や耐久レースなどのイベントが多く開催されています。バイク用品店やディーラーが主催する走行会では、店頭で簡単に申し込めるものもあり、サーキット走行の敷居が年々低くなってきていると言えるでしょう。今回の記事ではサーキット走行に興味はあるけれど、どんな装備が必要なのか?今使っているウェアで問題ないのか?などのご質問に応え、サーキット走行に推奨されるウェアをご紹介いたします。ぜひ最後までご覧ください。
推奨される装備とは
サーキット走行といえば、一般的にはワンピーススーツを思い浮かべるかもしれません。しかし、最近の走行会では、レベルに応じてクラス分けがされており、初心者クラスではテキスタイルジャケットやデニムなど、普段の装備で走行できることも多くあります。ただし、こうした初心者クラスでは、マーシャル(先導車)が付き、高速道路を走る程度の速度での走行体験が主であり、サーキット走行の醍醐味である『マシンの性能を最大限に引き出す』ことは難しいと言えるでしょう。
より本格的な『マシンの性能を最大限に引き出す』走りをしたい場合は、一般道以上にケガの"リスク"も高まります。
ーでは、その"リスク"に備えた装備とはどういったものがあるのでしょうか。
ヘルメット
頭部は人体の中でも特に重要で、優先的に保護する必要があります。そのため、頭部全体を覆うフルフェイスヘルメットの着用がほとんどの場合で必須とされています。サーキットでの使用を想定したPISTA GP RRは、風の抵抗をほとんど受けず、広い視野角を提供することでトラックでの最高のパフォーマンスを実現します。
また顎紐に関する具体的な規定はあまり見られませんが、AGVヘルメットの顎紐は、一部のロード向けモデルを除いて基本的に安全性の高いDリングを採用しています。
グローブ
中級クラス以上の本格的な走行を体験できるクラスでは、手首を覆うレザー製のロンググローブの着用がほぼ必須とされています。ショートグローブは事故の際に脱げる可能性があり、十分な保護性能を提供できません。レザー製のロンググローブはサーキット走行や高速域での走行を想定しており、高い保護性能と快適な操作性を提供します。
ダイネーゼではこうしたレザー製のロンググローブを複数展開しており、ハイエンドモデルはMoto GPなど世界で活躍するプロレーサーも使用しています。
ブーツ
中級以上のクラスでは、レーシングブーツが推奨されることが多いです。初心者クラスでも、十分な強度を持ち、くるぶしを覆う高さのあるシューズが指定されることがあります。
レーシングブーツには多くの種類があり、用途や予算に応じて選ぶと良いでしょう。ダイネーゼでは、独自の特許技術によって生まれた、ブーツの上に裾をかぶせる『インブーツタイプ』も展開しており、快適性と安全性から登場以来人気のシリーズです。もちろん、プロレーサーも愛用するアイテムです。
サイズ選びも重要で、ツーリングでの使用を考慮する場合は、むくみを考えて少し余裕のあるサイズをおすすめします。
ジャケット&パンツ
初心者クラスや中級者クラスでは、レザージャケットとレザーパンツを組み合わせたツーピースタイプが許可されることもあります。
これらは汎用性が高く、安全性を確保しつつ効率的な装備といえるでしょう。
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私は昨年、走行会にお誘いいただき2回ほど参加しましたが、頻繁に参加するわけではないため、このレザージャケットとレザーパンツの組み合わせで参加しました。
春から秋にかけてのシーズンに使用する場合は、パンチングモデルが特におすすめです。特に夏の走行会では、気温と装備の通気性が快適性に大きく影響します。
レザースーツ
高いレベルの高速走行を行う際には、ワンピースタイプのレザースーツがほぼ必須とされています。ジャケットだけを脱ぐことができる連結タイプのような汎用性には欠けますが、走行中の体重移動や姿勢、空力性能を考慮すると、やはりワンピースタイプのレザースーツが最適です。上級者向けクラスでは、レザースーツの着用が必須(MFJ公認品を指定することもあります)とされることが多いです。また速度域が上がるほどケガのリスクも増大します。
ダイネーゼをはじめとする各メーカーは、レーシングスーツに対応したバイク用エアバッグの普及を進めています。走行会ではエアバッグの着用が任意とされることが多いですが、サーキット主催の公認レースではエアバッグの着用が必須とされる場合もあります。ダイネーゼが提供するバイク用エアバッグシステム『D-air』は、同じシステムを使用した公道用エアバッグベスト『SMART JACKET』が警視庁に採用されるなど、公的機関からも高い評価を受けています。
ルールを守って安全に楽しみましょう
装備を整えることはもちろん重要ですが、サーキットでの走行にはルールの理解が不可欠です。走行前のブリーフィングでは、フラッグの種類やポストの位置、追い越しに関するルールなど、安全に走行するための説明が行われます。これらをしっかりと聞き、ルールを守ることで、安全で楽しい走行会を実現できるでしょう。
今回はサーキット走行をしてみたい方に向けて、アイテムのご紹介でした。どれを選べばわからないなどご相談はお気軽にお声がけくださいませ。
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