免許を取り立ての方やリターンライダーなど、まだバイクに不慣れな段階では、少しでも不安を減らしたいと感じるものです。だからこそ装備は、「適切なものを選ぶ」ことで、ライディングに最大限集中することができます。本記事では、初心者の方に向けて、バイク用シューズを選ぶ際に知っておきたいポイントを、わかりやすくご紹介します。
1. そもそも「バイク用シューズ」とは?
「バイク用のシューズ」と聞いても、具体的なイメージが湧かない方も多いのでは。
一般的なシューズと何が違うのでしょうか。
本項では、普段履きのシューズとバイク用シューズの違いについて解説します。
―― 用途が違えば、構造も変わる

普段の生活で履くシューズは、「歩く」ことを前提に作られています。
これは当たり前のようですが、違いを理解するうえで非常に重要なポイントです。
歩きやすさを重視したシューズでは、ソールやアッパーの柔らかさが求められます。
たとえば運動靴が歩いたり走ったりしやすいのは、ソールがクッションとバネの役割を果たし、衝撃を吸収しながら反発する構造になっているためです。
一般的なシューズに求められるのは、この「柔らかさ」と「しなやかさ」だと言えるでしょう。
では、バイク用シューズはどうでしょうか。

バイク用シューズは、バイクに乗ることを快適にし、なおかつ走行中に起こり得るリスクから足を守ることを目的に設計されています。
「快適さ」は、ライディングにおいて非常に重要な要素です。
バイクは気候の影響を強く受ける乗り物で、気温が上がれば靴の中は蒸れ、雨が降れば足元は濡れてしまいます。
そのため、バイク用シューズには
-
通気性に優れたモデル
-
防水性を備えたモデル
といった、環境に応じたさまざまなタイプが用意されています。
どのような特徴を持つシューズを選ぶべきかについては、後ほどシーン別に詳しく解説します。
また、実際にバイクに乗ってみると、ブレーキ操作やシフトチェンジなど、想像以上に足の動きが重要であることに気づくはずです。
このとき、滑りにくいグリップ力と、適度な硬さを持つソールであれば、軽い力で操作ができ、より快適なライディングにつながります。
つまりは、一般的なシューズは「動きやすさ」を、バイク用のシューズは「快適性と安全性」を重視している違いがあるということです。
2.重要な安全性の「基準」
前項にて、「快適性と安全性」というキーワードが出てきました。
では、ここでいう「安全性」とは、何を基準に評価されているのでしょうか。
ダイネーゼのフットウェアには、欧州の安全規格「EN 13634:2017」が適用されています。
この EN 規格は、ざっくり説明すると、ヨーロッパにおいて、製品がその用途に対して危険すぎないかを、第三者試験によって確認するための“物差し”となる基準です。
つまり、「この製品は、バイク用フットウェアとして最低限求められる安全条件を満たしている」と、第三者機関によって客観的に確認されているということになります。
では、皆さんがダイネーゼのフットウェアを購入する際、どのポイントを見て選べばよいのでしょうか。
――見落としがちな、タグが 要
製品を選ぶ際に、そのフットウェアがどのような「基準」に基づいて作られているかを確認する、もっとも手軽な方法が 製品に取り付けられたタグ(ラベル)を見ることです。
ダイネーゼのすべてのフットウェアには、商品情報や生産国に加えて、製品が欧州規格 EN 13634 をどのレベルで満たしているかが表記されています。
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※ここから先は、EN規格の具体的な見方や試験内容を詳しく解説しています。
「どんな基準で作られているかまで知りたい方」は、ぜひ下記をクリックしてご覧ください。
🔍EN規格(EN 13634)のラベル表示と試験内容を詳しく見る
ダイネーゼのフットウェアには、製品タグ(ラベル)に EN 13634:2017 に基づく評価結果が表示されています。 ここでは、その見方と試験内容について解説します。
ラベルに記載されている4つの基本評価項目

ラベルには、以下の4つの項目が数字で記載されています。
- アッパーの高さ:くるぶし周辺をどの程度カバーしているか
- 耐摩耗性:転倒時に、素材がどれだけ擦れに耐えられるか
- 耐引裂性:外力によって素材が裂けにくいか
- 横方向剛性:足首のねじれをどの程度抑制できるか
これらは EN 13634 における基本試験項目であり、 各項目は保護性能に応じて レベル1 または レベル2 に分類されます。
一般的に、レベル2はレベル1よりも 高い保護性能を満たしているという位置づけになります。
追加(オプション)試験項目について
基本評価項目に加えて、製品の構造や想定用途に応じて、 以下のような追加試験が実施・表示される場合があります。 これらはすべてのモデルに必須ではありません。
■ 衝撃保護(IPA / IPS)
- IPA:足首(くるぶし部)の衝撃保護
- IPS:脛(すね)部の衝撃保護
外部からの衝撃を直接受け止める構造を持つ場合に評価されます。
■ 耐滑性(SRA / SRB / SRC)
異なる路面条件における、ソールの滑りにくさを評価します。
■ 防水性(WR)
一定条件下で、水の侵入を防げるかを評価します。
■ 通気性(B)
アッパー素材の透湿性能を評価します。
■ 吸湿・放湿性(WAD)
インナーやインソールが、汗を吸収し、乾燥させる性能を評価します。
試験項目の違い=安全性の優劣ではありません
EN 13634 において、表示されている試験項目の違いは、 性能の優劣ではなく、製品の構造と役割の違いを示しています。
取得されていない項目があるからといって、 そのシューズが「危険」「性能が低い」という意味にはなりません。
3.最適なシューズを選びましょう
それでは、ビギナーやリターンライダーの方に向けて、ライディングシーン別に、どのようなタイプのシューズを選べばよいかをご紹介します。
街乗りメインなら
普段使いもしやすく、デザイン性を重視したい方には、SUBURBシリーズなどのカジュアルタイプがおすすめです。
ファスナー付きのモデルであれば脱ぎ履きもしやすく、履き心地の良さからリピートされる方も多い人気シリーズです。
ツーリングが多いなら
長距離ツーリングが多い方には、防水性を備えたモデルがおすすめです。
悪天候や気温変化にも対応でき、シューズ内部にラミネートされた防水フィルムが、雨や風の侵入を防ぎます。
また、透湿性も確保されているため、蒸れにくく快適に履き続けられるのもポイントです。
デザインのバリエーションが豊富なのも、ツーリングモデルならではの魅力です。
二足目以降の選択肢として
すでにメインのシューズをお持ちの方は、シーズンに合わせたモデルを選ぶのもおすすめです。
たとえば、暖かい季節の使用が中心であれば、通気性に優れたエアーモデルが快適です。
エルゴノミクスに基づいて配置されたメッシュやパンチングにより、シューズ内部の空気を効率よく循環。
暑い時期でも、より快適なライディングを楽しめます。
峠道やスポーティな走りをするなら
ワインディング走行や、ややハードなライディングが想定される場合は、スポーツ寄りのモデルを選ぶのもひとつです。
トゥスライダーを備えたモデルであれば、深いバンク時につま先が路面へ接地した際の摩耗を防止します。
機能面だけでなく、コーディネートにスポーティな印象をプラスできるのも魅力です。
4. まとめ:「自分の使い方」に合った一足を
バイク用シューズは、見た目や価格だけで選ぶものではありません。
走るシーンや目的によって、求められる快適性や安全性は大きく変わります。
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普段の街乗りが中心なのか
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長距離ツーリングが多いのか
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それとも、ワインディングやスポーツ走行を楽しみたいのか
まずは 「自分がどんな乗り方をするか」を整理することが、最適な一足を選ぶ近道です。
また、ダイネーゼのフットウェアは、欧州の安全規格 EN 13634 に基づいた試験をクリアしており、用途に応じた安全性が、第三者機関によって客観的に確認されています。
「なんとなく」ではなく、理由を持って選んだ装備は、ライディング中の安心感にもつながります。
どのモデルが自分に合うか迷った場合は、使用シーンや不安に感じている点を、ぜひ店頭でご相談ください。
お客様のライディングスタイルに合った一足をご提案いたします。
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記事作成 : 谷岡(タニオカ)