レザージャケットや革ジャンは、時間が経つほどにその独特の風合いと魅力が増すアイテムです。しかし、その美しさと耐久性を保つためには、適切なメンテナンスが欠かせません。
ダイネーゼでも多くの革製品を取り扱っておりますが、販売時によく頂くご質問が「レザージャケットのお手入れはどうすればいいか」です。
革は自然素材であり、放置すると乾燥やひび割れ、色あせなどが起こるため、日常的なケアが必要です。この記事では、レザージャケットを長持ちさせるためのメンテナンス方法を解説します。
レザーの種類と特徴
まず、メンテナンス方法を知るために重要なのは、自分のレザージャケットの素材を把握することです。一般的にレザージャケットには、以下の種類の革が使われています。
- 牛革(カウハイド)
最も耐久性があり、重量感も感じられる牛革は、使い込むほどにしなやかになり、深い風合いが出てきます。カウハイドのレザーは、オイルやクリームを使って定期的にメンテナンスすることで、ひび割れや乾燥を防ぐことができます。 - 羊革(シープスキン)
羊革は、軽量で柔らかく、非常に滑らかな質感が特徴です。しかし、牛革に比べて耐久性は劣るため、取り扱いに注意が必要です。特に、水や湿気に弱いため、防水スプレーなどでのケアが重要です。 - 山羊革(ゴートスキン)
山羊革は、耐久性がありながらも柔らかく、羊革と牛革の中間的な性質を持っています。手触りも滑らかで、高級感のある見た目が特徴です。定期的なオイルケアが推奨されます。 - 馬革(ホースハイド)
馬革は非常に丈夫で、使い込むことで美しい経年変化が現れます。ただし、固さがあるため、使い始めはしっかりとしたメンテナンスを行い、徐々に柔らかくしていくことがポイントです
ダイネーゼの製品はほぼ全て、「牛革(カウハイド)」を使用しておりますので、牛革を念頭に置いて進めていきましょう。
なお同じ牛革でも、スウェード(起毛のある革)は手入れ方法が全く異なりますのでご注意ください。
レザージャケットをきれいに保つための日常ケア
レザージャケットの美しさを長持ちさせるためには、日常的なケアが不可欠です。例えばツーリングの帰り、ワンシーズン使い終わった後の手入れ、雨に濡れてしまった後のケア、など。
定期的に行う基本的なメンテナンス方法を紹介します。
ほこりを払う
レザー表面にたまった埃や汚れは、乾いた柔らかい布やブラシで定期的に払うことが大切です。埃が蓄積すると、そこからカビや劣化の原因となることがあります。
ほこりやカビの原因は、ツーリングや待ち乗りの間にもジャケットについていると考えましょう。帰ったらさっときれいなクロスで吹き上げておきましょう。
レザークリーナーの使用
レザージャケットを長く美しく保つために、専用のレザークリーナーを使用して定期的に汚れを取り除きましょう。クリーナーを使用する際は、まず目立たない場所でテストを行い、革に影響がないか確認してから全体に塗布することを推奨します。
革の保湿
革は乾燥するとひび割れの原因となります。特に乾燥した季節や頻繁に着用している場合は、レザー用の保湿クリームやオイルを使って、しっかりと水分補給を行いましょう。
オイルは浸透力が高いため、革に深く潤いを与え、柔らかさを保つ効果があります。
ダイネーゼでは、↑に記載したレザークリーナーとセットでの使用を提案しています。
水・雨に濡れた場合の対処法
レザージャケットが濡れてしまった場合は、自然乾燥をさせましょう。
ドライヤーや直射日光で乾かすと、革が硬くなりひび割れの原因となってしまいます。乾いた布で軽く水分を拭き取り、風通しの良い場所で陰干しするのが最適です。
ダメージが受けてしまいますので、乾くと硬くなってしまいますが、保湿オイルを塗布し少し使う事で元の柔らかさに戻っていきます。
なお、乾く少し前に、オイルで油分を加えておく方法もお勧めしています。
レザージャケットの保管。3つの注意ポイント。
誤った保管はシワや変色、革の劣化を招くことがあります。
せっかくお買い上げ頂いた製品を長く使うためにも、日常の保管は、主に下記の3点に注意すると良いと思います。
- ハンガーにかけて保管
レザージャケットは折り畳んで保管せず、肩幅に合ったハンガーにかけて保管しましょう。折り目が付くと、その部分が伸びたり変形したりすることがあります。
また、ハンガーは丈夫で滑りにくいものを選び、ジャケットの形が崩れないように注意します。
※ダイネーゼストアでお買い求め頂くと、ショップで使用している純正ハンガーをお付けしております。 - 直射日光を避ける
基本中の基本ですが、長時間にわたって直射日光にさらされると、レザーが色あせたり硬化する原因になります。
これはレザー製品全般にいえることですね。
保管場所は、日光が当たらない風通しの良い場所を選びましょう。 - 定期的な通気
革は呼吸する素材であるため、密閉された空間に長時間保管すると、湿気がこもりカビが発生することがあります。
定期的にジャケットを取り出し、風通しの良い場所で換気させることで、革の状態を良好に保つことができますし、取り出した時にはぜひ、ひと通りジャケットを眺めて、カビの兆候などが無いかチェックしましょう。早めに取り除くことが大切です。
取り出すことが難しい場合でも、クローゼットを定期的に開放しておくだけでも違うと思います。
クローゼットのスペースには限りがありますし、写真のようにゆとりのある方は少ないでしょう。私は普段着とは分け、レザー製品の周りは少しスペースを空けるように心がけています!
レザージャケットのお手入れ:自宅でできる方法
革ジャンの基本的なお手入れは、まず表面の埃や汚れを柔らかい布で拭き取ることから始めます。これにより、革の表面を傷つけずに清潔に保つことができます。
ダイネーゼのレザー製品には、下記の「プロテクション & クリーニングキット」がお使い頂けます。
PROTECTION & CLEANING KIT 999-NEUTRO N
レザーウェア、レザーアイテムのケア/クリーニングに最適なコンプリートキットです。 ダイネーゼ製品の全てのレザーアイテムにご使用頂けます。
※価格や仕様は予告なく変更される場合があります。最新情報はダイネーゼAGVジャパン公式サイトをご覧ください。
透明な「ストロングクリーナー(汚れ落とし)」と、白い「プロテクションクリーム(保湿剤)」がセットになっています。
革に塗布する際のスポンジやクロスも同梱されていまして、組み合わせは次の通りです。
クリーナーにはスポンジを、保湿剤にはクロスを使います。
大まかにお伝えすると
- スポンジにストロングクリーナーをたらし、握って泡立て、汚れが目立つところをやさしくこすります(強くガリガリすると、表面を傷めたり、レザーのはがれ原因になりますのでご注意ください)。
- 乾かしたら、保湿クリームをクロスに付け、こちらも優しく塗布していきます。
- 陰干しして乾いたら、クローゼットに戻しましょう。
さらにメンテナンス方法は、京都店のブログに詳しいのでそちらの情報をまとめておきましょう。
クリーニングクリームはしっかりと泡立てる
小さい面積の汚れであれば泡立てずそのまま液体を柔らかい布につけてこするだけでも取れますが、レザージャケット全体など広い面積で洗うときはしっかりと泡立てた方が液体の節約にもなり、また泡の方が洗浄力が高くしっかりと汚れを浮かしてくれるためです。
付属のスポンジにクリーニングクリームを垂らして少し握るだけでも泡立ちますので、ここから磨いていただいても綺麗になります。磨く部分によって道具を変える
シャーリング部分などの溝をしっかりと磨きたい場合は、シューケア用のブラシで磨くと隙間に毛先が入り汚れをかき出してくれるので非常に便利です。
その場合、
- 豚毛ブラシ:毛足がしっかりしてるため、汚れを落としてる感じを体感できます。
- 馬毛ブラシ:毛足が柔らかいのでへの革を最小限に抑えることができます。デリケートな革にオススメ。
保護クリームの量を調節する
レザーケアは、3ヶ月から半年に一回ほどで充分ですが、長期間保護クリームを塗ってない場合、人間の肌のようにレザーも乾燥するので、気持ち少し多めに塗るのもおすすめです。
ただあまり塗りすぎると栄養過多となってしまい湿気の多い場所に保管するとカビなどの原因にもなるので注意してください。
出典 : 京都店ブログ 【Leather Cleaner Set】レザーを労る休日はいかがでしょうか
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記事作成 : 京都店スタッフ
レザージャケットのお手入れ:プロフェッショナルクリーニング
ダイネーゼでは、DAINESE LEATHER CARE(ダイネーゼ・レザー・ケア)と呼ばれるサービスを提供しています。
D-Skinやカンガルーレザーなど、ダイネーゼ独自の加工が施されたレザーウェアを、1つ1つ丁寧に専用の設備でクリーニング。ご自身での作業が面倒...自分ではなくしっかりとプロに依頼したい...という場合は是非ご利用ください。
- 対象品(ダイネーゼ製品に限る)
レザースーツ
D-air®搭載レザースーツ
レザージャケット
D-air®搭載レザージャケット
レザーパンツ
プロフェッショナルクリーニングの最大のメリットは、専門的な技術と知識を持ったスタッフによる徹底したクリーニングが受けられる点です。これにより、自宅では難しい汚れやカビの除去が可能です。
しかしご注意を。
長年レザーの目に詰まった汚れ、くすみ、はクリーニングであっても残念ながら落ちません。ピカピカの新品のようにすることはできませんので、それもまた味と考え、長くレザー製品とお付き合いくださいませ。
クリーニングサービス概要
クリーニングサービスの詳細を解説しています。※ダイネーゼジャパン公式サイト。
※価格や仕様は予告なく変更される場合があります。最新情報はダイネーゼAGVジャパン公式サイトをご覧ください。
メンテナンスサイクル
レザージャケット、革ジャンのメンテナンスサイクルは、使用頻度や環境によって異なりますが、一般的には月に一度くらいを目安に、「日常のケア」を行うと良いと思います。
また、汚れが目立つ部分はその都度丁寧に拭き取り、雨などで濡れた場合はすぐに乾かすことが重要です。定期的なメンテナンスを怠らず、革の状態を常にチェックすることが長持ちの秘訣です。
クリーニングサービスについては、ワンシーズンに1回、使い終わった後に行うくらいがおすすめです。