寒さから手を守るためには、どの冬用バイクグローブを選べば良いのでしょうか。
まもなく10月に入るこの時期にこそ考えておきたい、冬用グローブの選び方をおさえておきましょう。安全性、素材、フィット感、またそれぞれの知識も合わせて紹介します。
グローブの素材が与える影響
冬のライディングでは、冷たい風や低温に長時間さらされますから、冬用バイクグローブを選ぶ際には、使用されている素材が何か?をよく考えておきましょう。
保温性や防風・防水性能にどれだけ優れているか、が大きなポイントとなります。
一般的に、レザー or ナイロンの2つに分類され、ナイロン(以降、割とダイネーゼで使われる"テキスタイル"という言葉に置き換えます)のグローブには、ゴアテックスや、ダイネーゼ自社開発のD-Dry(ディードライ)など防水フィルムを採用したものもあります。
ここでは、3つのトピックに分けて素材選びが暖かさに与える影響を詳しく解説します。
レザーの特性と冬場の保温性
レザー素材は、優れた耐久性と防風性があり、特に質感やルックスを重視するライダーにおすすめです。
レザーの特徴としては、風を通しにくく、外部からの冷気をしっかりとシャットアウトすることが挙げられますが、一方で、革そのものが冷えることから、保温性を求める場合には、レザーグローブの中に保温素材がしっかりふくまれているかを確認しておくことをおすすめします。
さらに、レザーは時間とともに手に馴染み、フィット感が向上するため、使い心地もよくなりますね。
ただし、レザーグローブには、防水性能がやや劣る場合があるため、雨の日には水が染み込んでしまうことがありますのでご注意ください。
※これを防ぐために、レザーグローブには定期的なメンテナンスが必要で、メンテナンス用クリームを使用してケアしましょう。
テキスタイルグローブの利便性と快適さ
テキスタイル製のグローブはレザーに比べて軽量で、柔軟性が高い素材です。
冬用バイクグローブでは、風を防ぐ効果もあり、またレザーより冷えにくく、かつ、保温性の高い中綿を含んだモデルが多い傾向にあります。
快適さを提供する点で非常に優れていますので長時間のライディングや短距離の移動・通勤通学など、幅広いシーンで活躍します。
また、通気性も比較的高いため、手の内部が蒸れにくいのも大きな利点ですね。
テキスタイルのうち、ゴアテックス・D-Dry仕様のグローブは?
ゴアテックス(Gore-Tex®)は、防水性と透湿性に優れた素材(フィルム)として知られています。
ディードライ(D-Dry®)は、ダイネーゼ自社開発の防水フィルムで同じく高い防水・透湿性を実現しています。
フィルム自体の性能(耐水圧や透湿性能)は同じ程度と考えて問題無いのですが、コレクションの傾向としてはこのようなイメージです。
- ゴアテックスグローブ : テキスタイル生地やプロテクター、素材の組み合わせなどにこだわり、トップグレードのモデルに使用されている。
- D-Dryグローブ : 街乗りやツーリングなど、気軽に使いやすい生地に、十分なプロテクターを加え、比較的手ごろなモデルとして展開している。
冬用バイクグローブに、このような防水透湿フィルムが使用される理由は、その高い防水性能と通気性のバランスにあります。
外部の雨を完全にシャットアウトしつつ、内部の湿気を外に逃がすため、長時間のライディングでも手が濡れることなく、保温ライナーによる湿気も逃し、快適な状態を保つことができるので、かなり機能的だと思います。
冬用グローブ、素材別フィット感の違い
ライディング中、手はブレーキやクラッチ、アクセル操作を繰り返すため、手に合ったグローブを選ぶことで、快適さや安全性が大きく向上します。
レザーのフィット感(秋冬シーズン)
結論から言ってしまうと、レザーグローブの方が格段にフィット感、操作性は優れています。「ほどほどの暖かさ + 極寒期は我慢」くらいのイメージでお探しの方には、レザー + 保温インナーグローブがおすすめでしょう。
特に重要視すべき部分が指先のフィット感だと思います。
指先に余分なスペースがあると、細かい操作がしにくくなるだけでなく、余った空間に冷たい空気が入りやすくなるため、指先が冷えてしまい、快適さが損なわれてしまいます。
冬のライディングで、指先が冷えてしまい、つらい思いをしたライダーは少なくないでしょう。
テキスタイルグローブのフィット感(秋冬シーズン)
ダイネーゼの冬用グローブのうち、テキスタイル生地のものは、多くが「防水フィルム + 保温素材(中綿)」の組み合わせです。
フィット感ではレザーに軍配が上がりますが、保温性・暖かさ、であれば間違いなくテキスタイルグローブでしょう。
モコモコしているため、どうしてもフィット感が犠牲になりがちですが、それを抑えるためにはなるべく指先にあまりのない、手にしっかりあったグローブを選びましょう。
これはぜひ試着をおすすめします。
なお最近は、コレクションの中に1-2種類ほど、防水透湿フィルムを使っているが、中綿を除き、フィット感と保温性のバランスを取ったモデルが発売されることがあるので、良いとこ取りしたいライダーの方は注目です。
安全性を確保するためのプロテクター
冬用バイクグローブは、寒さを防ぐだけでなく、事故や転倒時に手を守る役割も果たすことを忘れてはいけません。安全性を確保するためには、しっかりとしたプロテクションが施されているグローブを選ぶことが重要です。
ダイネーゼではレザーグローブはもちろん、一見ただの冬用グローブ、通勤やショートツーリングで使えそうな保温素材のテキスタイルグローブ..であってもすべて、安全認証を取得しています。
バイク用グローブのCE安全認証 : EN13594を知っておこう
バイクグローブの安全性を評価する基準として、CE規格(Conformité Européenne)があります。
これは、欧州連合(EU)が定めた製品の安全基準であり、CEマークを取得している製品は、特定の安全要件を満たしていることを示しています。
バイクグローブにおけるCE規格は、特にライダーの安全性を確保するために重要です。CEマークが付いているバイクグローブは、転倒や事故時に手をしっかりと保護できることが保証されていますから安心です。
EN 13594の概要
バイク用グローブのCE規格において、最も一般的な基準がEN 13594です。これは、ライダーの手を衝撃や摩耗から保護するための基準を規定した規格で、2015年に改訂されています。
この規格は、グローブの素材や構造、保護性能に関して厳しいテストをクリアした製品にのみ与えられるものです。
一例ですが、下記のようなものがあります。
耐衝撃テスト
- 手の甲や指の関節に施されたプロテクターが、転倒時の衝撃をどれだけ吸収できるかを測定。
耐摩耗テスト
- 転倒時の路面との接触に耐えられるかを確認するためのテスト。。
耐引裂テスト
- 縫い目や素材が、どれだけの力に耐えられるかを測定。
暖かさ、という基準はないところが悩ましいですね。
ジャケットやバイクの色、デザインとコーディネート
バイクグローブは機能性だけでなく、見た目も大切ですから、選ぶ際には自分のジャケットやバイクの色、デザインに合わせて選ぶことで、全体のコーディネートが一層引き立ちますよ。
特に、同じ素材で揃えると、デザインの統一感が出て見栄えが良くなりますし、バイクの色と合わせてもOK。
今後バイクを買い替えるかもしれない..と考える方には、黒・グレー系がおすすめです。
今年使う冬用のグローブはお決まりですか?
色々と解説してきましたが、冬用グローブの選び方はいかがでしたでしょうか。過去にもいろいろなブログで解説、実際の着用シーンや写真をまじえて掲載しています。
少し前の記事ですが、福岡店、他店もまぜて紹介いたします。
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TEMPEST 2 D-DRY LONG GLOVES
あらゆる天候に対応可能で毎日のライディングに最適な万能ツーリンググローブ。防水性に優れたD-Dry®メンブレンと保温性に優れたFiberfillサーマルライニングを採用しており、TPU製Pro-Tekナックルプロテクターによりプロテクション性能が向上しています。
※価格や仕様は予告なく変更される場合があります。最新情報はダイネーゼAGVジャパン公式サイトをご覧ください。