ダイネーゼのエアバッグ「スマートジャケット」の注意点解説

作成日 2024年4月6日 | 最終更新日 2024年11月8日
By 京都店スタッフ

ダイネーゼのエアバッグコレクションのうち、最も人気が高い「スマートジャケット」について、使用の注意点を解説します。製品の安全性だけでなく、使い方にも配慮頂くことでより安心してお使い頂けることでしょう。

検討中の方も、既にお持ちの方も、スマートジャケットを詳しく知って頂き長くご愛用ください。

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スマートジャケットの基本

バイクで公道を走行する際には、どうしても事故の可能性を考慮しなければなりません。自分がどれだけ注意していても、周囲の車両の存在により、「なぜここで...」という状況が発生することもありますよね。

そのため、ダイネーゼはライダーの体を致命的なダメージから守るため、特許である「マイクロフィラメント」を開発しました。

バイク用エアバッグシステムSmart Jacket (1)

レースで200km/hオーバーで競争するMOTOGPライダーが使用するレザースーツにも、ダイネーゼのエアバッグは使われていますが、それと同じ素材、構造をしています。

公道において、どこからのダメージが致命的となるのかのデータをもとに、最適化された範囲を守るように設計されていますが、かつ、「気軽に、フレキシブルに」使えるようにしてたものが、このスマートジャケットです。

smartjacket-user-tutorial-03背中はハードプロテクター7枚分。胸はハードプロテクター8枚分の安全性能(いずれもEN1621シリーズのLevel.1を基準として計算)

起動条件に関する注意点(ライダーの動き)

スマートジャケットのエアバッグ起動条件は、次の通りです。サーキット用とは異なるアルゴリズムにより、公道に特化した設計をしているため、確認しておきたいポイントです。

  • ハイサイド ... バイクからライダーが投げ出されるケース。
  • ローサイド ... スリップダウン等で、ライダーが地面を滑るようなケース。
  • 正面衝突 ... バイクが障害物と衝突する。
  • 360°方向からの追突 ... 走行中、信号待ち中問わずぶつかられたケース。

※いずれもスマートジャケットのLEDが「緑 = アームド」である必要があります。

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追突 : 360°方向に対応

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衝突 : 対象物に対して、45-135°の角度での進入に対して起動。

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ローサイド : 回転を伴う・伴わない両方のケースで起動

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ハイサイド : バイクから投げ出される危険な事故に対応。

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起動条件に関する注意点(製品の状態)

スマートジャケット本体における起動条件は、取扱説明書にも記載がありますが、

  • バイクの振動を感知
    または
  • 時速10kmを感知

が条件となります。
感知すると胸のLEDインジケーターが振動して緑に光ります。

注意点としては、

  • 電動バイクのようにエンジンの振動が無い場合
  • 振動の強さ・ポジション・エンジンの特性等でシステムが振動を感知しにくい場合

は、停車時にシステムがオン = アームド、にならないため、停車中はお使い頂けません。

もちろん時速10km/h以上で走り出せば、GPSが速度を感知しますので、システムがオン=アームド、になります。

仕様・使用に関する注意点

よくお問い合せを頂く内容をここではまとめて紹介いたします。

電源はバイクにまたがってからONにし、OFFにしてから降車する

滅多にありませんが、バイクに乗るとき、降りるときの動きが「事故の動き」と一致してしまった場合、センサーはそれを事故と認識し、エアバッグが開くことがあります。

これは誤作動ではなく、むしろ正しい作動といえますが、とはいえ起動してしまうと交換作業が必要になるため、「バイクにまたがってからON。OFFにしてから降りる」を意識しましょう。

電源ボタンは定期的にクリーニングする

電源マグネットボタンを操作する際に、どうしても汗などが蓄積していきます。

そのままにしておくとボタン表面にサビが発生する可能性があり、このせいで通電不良となり、電源が入らないなどの問題が発生する恐れがあります。こまめにボタン表面をふき取っておきましょう。

一時的にLEDが緑→青や赤となる場合がある

スマートジャケットは、内蔵されているシステムが全てを感知しています。

乗車姿勢・エンジン特性・シート構造・バイクのモデルなどにより、感知できる振動の一定化がどうしても困難となるので、このようなLED反応が出る場合も稀に発生する可能性もあります。

こちらは製品自体の不具合ではなく、センサーの感知のタイミングなどで起こるものが主となっており、専用のアプリからファームウェアをアップデートすることで解決することもあります。

ファームウェアは不定期ですが、概ね数か月に1度、メーカーから配布されており、PC用アプリケーションとつないでアップデートすることで、常に最新の状態を維持することができます。

これはバグの修正や、新しいエンジン特性の情報など、多様な情報が含まれます。

PD(パワーデリバリー)タイプの充電器は非対応

PD(パワーデリバリー)とは、USB Type-Cコネクタに対応した給電規格のことで 従来からあるUSBポート経由での給電が最大7.5Wなのに対し、最大100Wと大きな電力を供給できるのが特徴の急速充電規格です。

PD対応ケーブルはだいたい USB-C to USB-C のケーブルになってるものが大半なのですが、スマートジャケットの充電には対応しておらず、接続してもLEDが反応しません。充電時には、付属の「USB-C to USB-A」のケーブルを使っての充電をおすすめします。

メンテナンスに関する注意点

シリアルナンバー

ご購入いただいたD-air®製品にはすべて、シリアルナンバーが割りふられています。このシリアルナンバーとお客様情報(氏名、誕生日、メールアドレス等)を紐づけることで、適切な製品管理とアフターサポートが可能となります。

そのためご購入の際には、お手数ですがアクティベートに必要な情報をお伺いすることがありますので、予めご了承ください。

定期メンテナンス

D-air® の製品はご購入日から3年ごとに定期メンテナンスを推奨しています。

3年が経過しましたら、ご購入いただいた店舗へのお持ち込みか、またはお引越しなどで来店が難しい場合は、ご購入履歴がわかるレシートはご注文メールなどを添えて、店舗またはダイネーゼストア公式サイトへお問い合わせください。

なおメンテナンスをしないことで即座に使えなくなるというわけではないので、その点はご安心ください。

エアバッグが開いてしまったら...

通常は国内にエアバッグパーツを用意しておりますので、ダイネーゼジャパン アフターセールス部との移動をふくめても1週間程度あれば交換が可能です。

交換にかかわる費用は、エアバッグの種類により異なりますので、スタッフより案内を差し上げております。

クリーニング方法

ファブリック生地の製品については、程々に水分を含んだタオルで、表面の汚れを定期的に拭くことをおすすめします。

落ちにくい汚れがあれば、おしゃれ着洗い用洗剤など、優しめのものを少量含めていただいても大丈夫ですが、最期には丁寧に拭きあげて、長時間しめった状態にならないようにしましょう。

電子機器を含むため、ご自身でエアバッグを取り外して洗うことはできませんが、スマートジャケット専用のクリーニングサービスをご利用ください。

DAINESE SMART JACKET CARE image

DAINESE SMART JACKET CARE

「エアバッグ本体の取り外し、およびクリーニング時の電子ユニットの保護」「丹念なベスト本体のクリーニングおよび乾燥」「エアバッグ本体の正しい取り付け、最終のシステムチェックによる動作確認」「必要に応じたファームウェアのアップデート」など、専門のクリーニングサービスです。

※価格や仕様は予告なく変更される場合があります。最新情報はダイネーゼAGVジャパン公式サイトをご覧ください。

ということで、いかがでしたでしょうか。

使い方やシステムの特徴を把握して、最新のD-air®システムを体感しましょう。安全なライディングのため、その他にも不明な点があればお気軽にご相談下さいませ。

Tags: バイク用エアバッグ, プロテクター

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