当店(大阪店 / 浪速区難波中)で開催したプレオープンイベントでは、ゲストとして来日したダニ・ペドロサ選手にSmart Airを着用して頂き、起動デモンストレーションを行いました。
近年、二輪車における安全性向上への関心が高まる中、注目を集めているのがライダー用エアバッグシステムです。
その中でも、ダイネーゼ社が開発した「D-air」システムは、世界中のプロライダーにも支持され、最先端の安全技術として注目を集めています。
今回は、この「D-air」を搭載したSmart Airが実際に作動し、エアバッグが展開される様子を記録した動画とともに、その仕組みや特長、そしてバイク用エアバッグを選ぶ際のポイントについてご紹介いたします。
実際にエアバッグが作動したSmart Airの映像
まずは下記の動画をご覧ください。
デバイスの音量をONにすると、開いた際の音やリアクションもお楽しみいただけます。
動画では、ダニ・ペドロサ選手がSmart Airを装着し、エアバッグが瞬時に膨張する様子が確認できます。
※カウントダウンをしていますが、これは専用のスイッチを使って、マニュアルで作動させられるようにした、デモンストレーション用です。
作動から膨張まではわずか45ミリ秒前後と、非常に高速で、胸部・背中を立体的にカバーする形状で、しっかりと保護エリアが広がっていることがお分かりいただけるでしょうか。
衝撃の瞬間、身体が受けるダメージを最小限に抑えるべく設計されたこのエアバッグシステム。ダニ・ペドロサ選手ものちに「痛みはまったくない」と言っています。
また周囲の方々は触っている"音"にも注目です。
手で叩くと「コンコン」と、まさに「空気のシールド(盾)」を叩いているような音が聞こえます。
通常の風船のようなエアバッグではなく、内部が超高圧になることで非常に強固なプロテクターになっていることがお分かりいただけるでしょうか。
「D-air」システムとは?
ダイネーゼの「D-air」システムは、エアバッグ本体と、それを制御する電子制御ユニット(ECU)によって構成されています。
ライダーの挙動やバイクの動きを毎秒1000回以上モニタリングし、転倒や衝突の予兆を検知すると、自動的にエアバッグを展開します。
特筆すべきは、物理的なワイヤー接続が不要な点です。これは「インテリジェント・エアバッグ」とも称される所以で、他の一般的なケーブル式エアバッグと比べて利便性・快適性が格段に優れています。
さらに、レース用モデルではMotoGPで実証されており、それを市販モデルに応用すべく様々な安全基準を満たしている点が信頼性を高めています。
Smart Airの着用感と利便性
Smart Airは、プロテクション性だけでなく、日常の使用における快適性も追求したモデルです。
- ジャケット一体型の構造で、アウターとしてもインナーとしても着用可能
- 軽量で通気性も高く、ツーリングや通勤用途にも対応
- 長時間のライディングでも疲れにくい
また、D-airシステムのバッテリーはUSB充電式で、このSmart Airならフル充電時には最大12時間程度の連続作動が可能(連続作動なので、途中の休憩等で電源OFFの時間があれば、それは含まれません。)
バッテリー残量はLEDで確認でき、スマートフォン連携アプリでシステム状態のチェックもできます。
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記事作成 : 坂井(サカイ)
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バイク用エアバッグの選び方
エアバッグシステムは、各メーカーから様々なタイプが展開されており、選ぶ際には以下の点を重視するのが良いでしょう。
1. 作動方式
- ワイヤー式:物理的にバイクとつながり、転倒時に引っ張られて展開
- 電子式(D-airなど):モーションセンサーにより自動検知し展開
日常の乗り降りの頻度や、作動の精度・スピードを考慮すると、電子式の方が利便性に優れています。
2. 保護範囲と安全認証
現在のところ、市場で見られるバイク用エアバッグには、胸部・背中・肩・首、のいずれかをカバーするものが主流です。ご自身の用途や守りたい部位を確認することが重要です。
ただし保護範囲が広がるにつれ、エアバッグ本体は重く、またガスジェネレーターも大容量になるためかさばります。そのバランスも検討してみましょう。
また「保護範囲が広い」だけでは意味がありません。
エアバッグが起動した際の「強度」「衝撃吸収性能」が認証されているか?が非常に大切です。
3. 再使用の可否
展開後に再利用できるのか、メーカーでの再充填が必要かも確認しましょう。
4. サイズ・着心地
着用するジャケットとの相性、通気性やフィット感も重要な要素です。
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記事作成 : 大阪店スタッフ
2024年10月29日
ライダーの未来を守る、新しい選択肢
日本国内でも、エアバッグを標準装備したモデルを導入するライダーは年々増えています。
日本でもMFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)がレース出場時のエアバッグ着用を一部義務化するなど、今後さらに普及が加速すると考えられます。
D-air搭載のSmart Airのように、ライダーの動きを妨げず、かつ事故の際には瞬時に作動して命を守るシステムは、これからのスタンダードとも言える装備でしょう。
安全を“我慢”ではなく、長くバイクになるための“選択”として取り入れる——それが現代のライダーに求められるマインドになっていくかもしれません。
今回の動画でご紹介したSmart Airの作動シーンは、エアバッグがいかに速く、立体的に、強固に展開されるかを視覚的に理解できる貴重な動画です。
しかもそれを、元MotoGPライダーであるダニ・ペドロサ選手が体感し、フィードバックして頂きました。
走行中の万が一を考えたとき、自分自身を守る最後の砦として、エアバッグの装備は大きな意味を持つでしょう。
自分に合ったエアバッグの選択肢を見つけ、安全性を高め、ぜひ今後のバイクライフをお楽しみください。
今回の商品

SMART AIR 001-BLACK
Smart Airは「EN 1621-4 CC Level.2(胸)」と「EN 1621-4 CB Level.2(背中)」の両認証を受けており、軽量でありながら快適さと高い保護性能を実現。最大3回まで起動可能なエアバッグを装備し、D-air Appによる管理が可能です。
※価格や仕様は予告なく変更される場合があります。最新情報はダイネーゼAGVジャパン公式サイトをご覧ください。