いつも埼玉三郷店ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回の池上ブログでは、2022年に新たにデビューしましたAGVのシステムヘルメット『 TOURMODULAR 』のインプレッションをお届けいたします。
以前のブログ『 ツーリングライダーからバイク初心者の方まで幅広くオススメの新作ヘルメットをご紹介 』にて大まかな部分のご紹介はいたしましたが、さすがに実際の走行時にどうなのかという所まではお伝えできていませんでした。
そこで一念発起、実際にヘルメットを購入し通勤やツーリングにて使用してきましたので、実際の使用時におけるインプレッションを自身の回顧録のような形でお伝えいたします。今回のブログがご購入を検討して頂いている皆様のお力となれましたら幸いです。
TOURMODULAR - STELVIO WHITE ¥78,100(税込)
私自身、初めてのシステムヘルメットという事で、走行中の風切り音がどうなのかという点が一番気になっていました。可動式チンガードが備え付けられているシステムヘルメットは、構造上フルフェイスヘルメットに比べて隙間や段差が生じやすく、隙間から流入する空気や段差で生じる乱気流などが原因の一つとなって風切り音が発生しやすくなっているとは聞いていましたが、果たしてTOURMODULARはどうなのでしょうか?
それでは、初めてのロードテストの模様からお届けいたします。
10月某日、一日の仕事が終わり、いざ帰宅の途へ。いよいよツアーモジュラーでの初ライドです。個人的にはPISTA GP RRのギュッとしたフィット感も捨てがたいのですが、全体を包み込むような感触の被り心地は、気持ちが急かされる事も無く快適です。また、インカム用スピーカーの取り付けスペースが大きく取られている関係で、耳元に大きなゆとりがあります。後にこの部分が大きな意味を持つことなど、この時の私には知る由もありませんでしたが、快適なフィット感に期待は膨らむ一方です。
さて、意気揚々と人生初めてのシステムヘルメットで走りだします。細い道から国道へ合流しまして、いよいよ本格的に性能チェックに移ります。
そして、その第一印象は・・・「かなり大きい風切り音だな・・・」でした。(あくまで個人の感想ですが) 今まで使っていたフルフェイスヘルメットやPISTA GP RRと比較しても、かなり大きい音に感じまして大変驚きました。
初めてのロードテストは風切り音との闘いとなったのですが、その原因が気になった私は帰宅後に調査に乗り出しました。
まずは最初に疑ったのは、顎元のWIND PROTECTORの有無です。最初は取り付けていなかったため、そこからの空気の流入が大きいのではないかと考えました。いざ取りつけましたら、ピンロックレンズ無しでは一瞬で曇ってしまうほどの気密性!
きっと、これに違いない!これで完璧だ!と息を巻いていましたが、な、なんと。。。風切り音に関しては大きな違いがありませんでした。。。
これは困った。。。お客様にどのようにご案内をすれば良いのだろうか。。。と頭を抱える日々が続くのですが、そんな僕にバイクの神様が救いの手を差し伸べてくれました。なになに? ❝ インカムを取り付けよ ❞ ですとっ?!
その神様が、『あなたが欲しいのは、この金のインカムですか?それとも、こちらの銀のインカムですか?』と言っていたかどうかは定かではありませんが、今回はごくごく普通のインカムを取り付けました。
今までインカムを使用した事も取り付けた事も無く、システムヘルメットと同様に人生初なのですが、前出のインカム取り付けスペースのお陰ですんなりと取り付けが出来ました。
さて、インカムも取り付けましたので、ロードテスト第二弾、ツーリング編です。
走り出してすぐに今までとは全く違う状況に驚き、ヘルメットの中でニヤニヤしながら「めちゃくちゃいいじゃん!」と叫んでいました。きっと周りの人には、バイクに乗ったニヤニヤした変な人が走っていると思われたことでしょうが、そんなことは関係ありません!あの風切り音が解決されているのですから!もう笑いが止まりませんでした。
結局のところ、風切り音の主な原因はツアーモジュラーの耳元付近の大きなスペースにあったようです。インカムのスピーカーを取り付けた事によって、そのスペースが埋まり風切り音が収まったという事なのでしょう。問題の解決まで少々時間がかかりましたが、無事に解決しまして良かったです。
さて、この事から私自身が感じた事は、ツアーモジュラーは初めからインカムを取り付けた状態で使用する設計がなされていて、そのために耳元に大きなスペースが設けてあり、また、そのスペースを埋めるようなスポンジなどが『 あえて付いていない 』という事です。たしかに、今のご時世システムヘルメットでインカム無しでロングツーリングに出かけられる方は少ないでしょう。PISTA GP RR の時もそうでしたが、使用するステージ・シチュエーションに合わせて最適な設計をするというAGVの思想が感じられて興味深いです。
また、より快適にツーリングをして頂けるように、ツアーモジュラーにはヘルメットに内蔵する専用設計のインカムがラインナップされています。
その名も、AGV INSYDE ¥40,700(税込)。インカムの本体部分が横に張り出さず、すっきりと収まっています。ヘルメットのシルエットを崩さないデザインが素晴らしいですね。
フリップアップした状態はこのような感じ。フレキシブルマイクが付属しています。
通常のインカムでしたら表に出てきてしまうケーブルも、見えることなくスッキリ。
只今、店頭にてデモンストレーションヘルメットを展示しておりますので、ぜひ実際にご覧くださいませ。
さて、若干わき道に逸れてしまいましたが、一番気になっていた風切り音が解決しましたので、ツアーモジュラーのその他の部分に触れて行きましょう。
システムヘルメット、AGVで謂う所のフリップアップヘルメットの最大の利点は、言うまでもなくチンガードが上に持ち上がるところです。すでに同様のヘルメットをご使用の方にとっては不思議ではないのでしょうが、今までフルフェイスを使ってきた身としては感動的な機能です。
ガソリンスタンドでの給油の際や、信号待ちでのナビのルートの確認など、フリップアップすることで広大な視界が開けます。まさしくストレスフリーでございます。
ただ、あまりの解放感でフリップアップしているチンガードの存在を忘れてしまう事がありますので、周囲にぶつけてしまわないように注意が必要です。※実際に自宅の玄関に何度かぶつけております。。。
また、フリップアップした状態での空力特性も優れており、この状態で一般道を走行しても頭が後ろに持っていかれることはありません。さすがに横を向くと厳しいので、走行中はクロースド状態の方が安全性・快適性の面でもよろしいかと思います。
クロースド状態での空力特性は言わずもがな、PISTA GP RR と同様にMotoGPからフィードバックされたエアロダイナミクスが活かされているのでしょう。ヘルメットが左右にブレる事はありません。クロースド状態での視界も水平方向に190° 、垂直方向に85° 確保されています。ちなみに、人間の水平方向の視野角は、おおよそ200° ですので、運転中の左右の確認が非常にしやすいです。
日差しの眩しい時間帯にはサンバイザーが便利です。サンバイザーの範囲も広く非常に快適です。
このように、快適装備が満載のヘルメットですので、モンスターでの通勤は非常に快適です。インカムで妻と会話をしながら帰宅する事もできます。
また、昨年の【 関東3店舗合同ツーリング 】の際には、もう一台の愛車 スーパースポーツの 848evoで参加しましたが、約300kmの道中でも極端に首が疲れることはありませんでした。さすがにスーパースポーツでは PISTA GP RR の方が首は疲れませんが、ツアーモジュラーでも対応可能な事が分かりました。そして、インカムで会話をしながら走るツーリングがこんなに楽しいなんて!通勤やツーリングの心強い相棒となる事、間違いなしでございます。
初めてのシステムヘルメットの方も、他社メーカーさんのモデルをご使用の方も、このAGVの新しいシステムヘルメットに興味を持って頂けたら大変嬉しく思います。
ツアーモジュラーについて、何か気になることがございましたら、何なりと三郷店の池上までご相談くださいませ♪