ダイネーゼが教える、冬バイクのレイヤリング術|防風×保温で寒さに負けない装備

作成日 2025年11月4日
By 谷岡(タニオカ)

夜明け前の薄暗い中、エンジンに火を入れる。冷たい空気が肌を刺し、走り出した瞬間に身が引き締まる――たとえ短い距離でも、特別な時間に感じられます。冬のライディングで欠かせないのは防寒対策ですが、ただ厚着をすれば良いというものではありません。この記事では、老舗バイクウェアブランド〈ダイネーゼ〉の視点から、冬装備における効果的なレイヤリングのコツを紹介します。

1. 根本的に違う──重ね着とレイヤリング

ブログ用) 長方形(横) - 通常サイズ (2)-Nov-04-2025-08-24-55-6813-AM冬の街歩きでは、セーターを着てコートやダウンを羽織り、必要に応じてマフラーやイヤーマフなどで部分的に防寒します。これは日常の服装としては正解でしょう。しかし、バイクに乗るときも同じ装備で快適に走れるでしょうか?

ファッションとしての厚着には、実は“ある重要な要素”が欠けています。快適なライディングを目指すうえで本当に必要なのは——防風性です。

バイクに乗るということは、自ら冷たい空気の中を切り裂いて進むということ。防風性が不十分だと、冷気が衣類を通過し、体温を一気に奪ってしまいます。時速60kmで走行中の体感温度は、気温より約10℃以上低下するといわれていますので、つまり冬のバイクウェアで最も重要なのは“防寒”よりも“防風”。快適なライディングの第一条件は、風を通さないことにあります。

2. 妥協せず、防風性能を高めるには

では、重要となる防風性を高めるには、どのような装備を選べば良いのでしょうか。
ダイネーゼのウェアでは、主に次の2つのアプローチがあります。

■ 防風性に優れたアウター

ブログ用) 長方形(横) - 通常サイズ (1)-Nov-04-2025-07-42-26-4827-AM「D-DRY」や「GORE-TEX」などに代表される防水モデルは、防水フィルムによって雨の侵入を防ぐと同時に、風の侵入も効果的に遮断します。
購入時に「雨の日は乗らないから」と防水モデルを候補から外してしまう方もいますが、実は防風性を重視するなら防水モデルこそ有効です。

さらに、防水・防風モデルの多くは、内側の湿気を外に逃がす透湿性にも優れているのが大きな特徴です。これにより、内部が蒸れにくく、長時間でも快適なライディングを維持できます。

■ 防風性を備えたインナー

ブログ用) 長方形(横) - 通常サイズ-Nov-04-2025-07-38-39-7663-AMGORE-TEX社の「WINDSTOPPER」などに代表される防風インナーは、薄手でストレッチ性がありながら、走行風の侵入を効果的に防ぎます。
防風インナーを活用すれば、厚着による動きにくさを抑えつつ防寒性を高められるため、冬季ライディングにおいて非常に効果的です。

ダイネーゼでも、防風性能に特化したインナーを各種ラインナップしています。詳細は以下の記事をご覧ください。

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3. 防風だけじゃない、合わせて意識したい要素

前節では、防風アイテムの重要性について解説しました。しかし、防風さえあれば完璧というわけではありません。そもそも、街歩きに適した防寒はなぜ暖かいのでしょうか?
そこにヒントがありました。防風性とあわせて重視すべきなのは、体温を逃さない保温性です。

■ 保温 × 防風は防寒の基本

ブログ用) 長方形(横) - 通常サイズ (3)-Nov-04-2025-08-27-34-7568-AM保温性と防風性は性質として異なりますが、防寒の観点では互いに補完し合う関係にあります。
ダイネーゼのアイテムであれば、代表例として「DRYARN」インナーがあります。DRYARNはポリプロピレンを主成分とした疎水性素材で、水分を含みにくいのが特徴です。

  • 夏用は、汗を素早く蒸発させることで快適さを保ち、
  • 冬用は生地を厚くし、繊維の間に空気の層を作ることで断熱性を高め、保温効果を維持します。

防風性だけでは冷気の侵入を防ぐことはできますが、保温性がなければ体温はすぐに奪われてしまいます。
そのため、防寒対策では防風 × 保温の両方を意識することが基本です。

4. 最も効果的なのは〈3層構造(レイヤリング)〉

数あるラインナップの中で、販売店の立場から特におすすめしたいのが、保温 × 防風の三層構造です。

  1. ベースレイヤー(肌着):DRYARNなどのテクニカルインナー
  2. ミッドレイヤー(中間層):防風性に優れたミッドレイヤー
  3. アウター(外層):防水・防風メンブレンを採用したジャケット

この組み合わせこそが、最も効率的に防寒効果を発揮します。
では、なぜこの三層構造が効果的なのかを見ていきましょう。

■ なぜ三層構造なのか

それぞれのレイヤーには、明確な役割があります。

・アウター:外からの風や雨を遮断する。
・ミッドレイヤー:ウェアの隙間を埋め、空気の層を作って保温性を高める。薄手でも高い防風効果を発揮。
・ベースレイヤー(DRYARNインナー):肌から出た汗を吸わずに外側へ発散し、衣服内の湿気を抑える。

発散された水蒸気はジャケットの内側に一時的に滞留しますが、防水・防風メンブレンを備えたアウターであれば、メンブレンの微細な孔が水蒸気だけを通し、液体の水や風は通さないため、内側の湿気を外へ逃がす構造です。このようにして、内側が蒸れにくく、快適な温度を保ちながら防寒が成立するのです。

ブログ用) 長方形(横) - 通常サイズ (4)-Nov-04-2025-08-35-04-7594-AMつまり、単に「厚着をする」だけではなく、それぞれの層が役割を分担することで、効率的に防風・保温・透湿のバランスを取るのが三層構造(レイヤリング)の最大の特徴です。

5. まとめ

「寒さ」に強い装備で冬を走り抜けよう

ブログ用) 長方形(横) - 通常サイズ (5)-Nov-04-2025-08-37-04-0737-AM冬のライディングを快適にする鍵は、防風 × 保温 × 透湿の3要素をいかにバランスよく整えるかです。厚着ではなく、機能素材によるレイヤリングが最も効率的な防寒方法。

とくに、ダイネーゼが展開する「DRYARN」インナーや「D-DRY」「GORE-TEX」アウターは、この3要素を高いレベルで実現しています。
寒さに強い装備を整えれば、冬のライディングはもっと自由に、もっと快適に。

この冬は、ぜひ防風とレイヤリングを意識して、新しい走りを体感してみてください。

 

Tags: 秋冬向け, テクニカルインナー, GORE-TEX®, D-DRY

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